第13回全日本民医連 共同組織活動交流集会in東海・北陸 “ひとりひとりが主人公” 全国から約2000人 石川で学びあう
全日本民医連は九月四~五日、第一三回共同組織活動交流集会を開催。全県から約二〇〇〇人が石川県加賀市に集まりました。「決めるのは私たち 憲法をいかし平和・人権・環境を守ろう 地域まるごと安心して住み続けられるまちづくりを」がテーマ。台風被害カンパも四〇万円集まりました。(田口大喜記者)
オープニングは、石川県と輪島市の無形文化財「御陣乗太鼓」が登場。メンバーには友の会員もいます。鬼面をつけた男性たちが打ち鳴らす太鼓は大迫力。
全日本民医連の藤末衛会長のあいさつに続き、石川民医連の松浦健伸会長が登壇。「保守的な石川で民医連が六七年間続いているのは共同組織のおかげ」とした上で、民医連綱領と共同組織活動に確信を持って積極的な交流に期待します、と語りました。
また、石川県健康友の会連合会の藤牧渡会長が現地実行委員長として歓迎。石川県知事と加賀市長からもメッセージがありました。
基調報告は三人の共同組織代表委員が。参院選でのたたかいをはじめ、戦争する国づくりと社会保障破壊を狙う安倍政権が、沖縄・高江ヘリパッド建設強行、原発の再稼働など、「かつてない情勢のなかでの開催」としました。そして、前回集会からの二年間の活動を振り返りました。「歴史に残る大きな転換の時代、共同組織の輪を強め、豊かな地域と社会を作る主人公に」と呼びかけました。
また、この一〇月で三〇〇号を迎える『いつでも元気』の誌面刷新を紹介。一〇~一一月の共同組織強化月間で六万二〇〇〇部に増やそう、と提起しました。
記念講演は、「笑って死ねる病院」の番組や本で知られる城北病院の柳澤深志副院長が「いのちに寄り添う民医連と共同組織」と題して行いました。
大分医療生協から参加した橋本まゆみさんは「柳澤医師の『研修医の頃に共同組織の人たちと地域を回ったことが自分の基礎になっている』というお話を聞き、私たちも研修医の皆さんを我が子か孫のように思って付き合っているので、嬉しかった」と感想を話していました。
底力、全国で
リレートークでは五人が活動を生き生きと報告しました。
神奈川・よこはま健康友の会の中村攻さんは友の会で行っている生活相談について報告。相談は数多く寄せられ、内容も様々。「からだの健康は病院で。くらしの健康は友の会で」と語りました。
子育て世代からも報告が。岡山医療生協の中山千春さんです。子育てを応援する行事を通じ子育て世代の担い手づくりにもつなげていることが語られました。
大阪・医療生協かわち野の前川哲さんは、戦争法廃止を求める二〇〇〇万署名をはじめとする憲法を守る運動を報告。署名目標の進ちょくを甲子園球場の約五万人の観客席に重ねるなど楽しい工夫もし、目標を達成しました。
「熊本地震と共同組織 友の会の思いはひとつ~つながっているよ~」と題して、くまもと健康友の会事務局の高崎清治さんからも報告が。冒頭では全国の支援に感謝。ブルーシートの屋根が延々と続く被災地上空の写真が映し出されると、会場からどよめきが。「災害が起きた時は一番にかけつけられる共同組織をめざしたい」と決意を語りました。
沖縄医療生協の伊波宏俊さんは「基地建設を許さない、オール沖縄のたたかい」を報告。戦争に苦しんできた沖縄の歴史と、基地のある恐怖、新基地建設を企む安倍政権への怒りを語りました。
分科会…256演題
二日目は分科会。憲法と平和、まちづくり、健康づくり、組織拡大、事業活動など七テーマ二七会場で二五六本の発表がありました。石川民医連の共同組織の歴史と活動をまるごと知る特別分科会や、内灘闘争跡と小松基地でたたかいの歴史を学ぶ「動く分科会」も企画されました。
* *
「何度か参加してきましたが、今回も中身のある実践的な発表がたくさんありました」と石川・金沢南健康友の会の升幸次さん。「初めて参加した」という静岡健康友の会の合戸忍さんは、「知らない世界でした。地域にこんな存在があり、すごいとりくみをしていたんですね」と話しました。
(民医連新聞 第1628号 2016年9月19日)