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民医連新聞

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こころの健康 (6)「怒り」のコントロール 代々木病院EAPケアシステムズ・臨床心理士 森優貴

 生活の中で、特に怒りやイライラが健康に良くない影響を与えます。怒りは身近な人であるほど強くなり、上司から部下、親から子どもへなど、上から下へ伝わる傾向があるといわれています。
 医療・福祉現場で働く皆さんは、対人援助職ですから、人と接する機会が多いですね。職場や家庭でイライラしてしまったり、イライラしている同僚を見かけることも多いのではないでしょうか? 身近に怒りやイライラがあると、同じストレスを受けても、他の人より感情的になりやすく、その結果、人間関係を悪化させ、ストレスをさらに強める行動をとることがあります。
 そこで今回は、怒りやイライラとの付きあい方についてお話しします。
 まず、怒り、イライラの仕組みを知りましょう。自分の心の中にコップを持っているとイメージして下さい。そのコップには、日々感じるネガティブな感情(不安、悲しい、つらい、疲れた、など)が溜まっていきます。このコップがいっぱいに溜まり、何かのきっかけで、怒りやイライラの感情としてあふれ出るのです。
 怒りやイライラが生じたら、次のことを意識してみましょう。冷静になるまで、発言したり行動するのはやめる。数を数えるなどしてイライラの対象から意識をそらす。自分を落ち着かせてくれるフレーズを心で唱えたり、リラックスできるようにイメージする。
 いちばん大切なポイントは、「怒りにまかせて行動しないこと」。怒りの感情が高まっている時は、まずは気持ちを落ち着かせ、クールダウンした後で原因を考え、対処しましょう。また、心のコップいっぱいに溜まったネガティブな感情を振り返ってみることも、役に立つかも知れません。
 ほかに、これまで紹介したコーピングを使ったり、捉え方を変えてみるのも良いでしょう(本紙7月4日付第4回、6月6日付第3回を参考に)。自分なりの対処法を見つけ、怒りと上手に付きあいましょう。次回は「リラクセーション」です。


代々木病院EAPケアシステムズ…2012年、同院健診センター(東京)が、「こころと身体のトータルサポート(健康づくり)」をコンセプトに開設。職場と連携し働く職員のこころの健康づくりをサポートする事業を担う。

(民医連新聞 第1627号 2016年9月5日)