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民医連新聞

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こころの健康 (5)ストレスのまとめ 代々木病院EAPケアシステムズ・臨床心理士 三浦文華

 これまで詳しくみてきたストレスについて、まとめます。ストレスは(1)きっかけとなる出来事(ストレッサー)と、(2)出来事の受け止め方(認知的評価)、(3)対処の仕方(コーピング)、(4)心身の変化(ストレス反応)の4つで構成されます。そして、ストレス反応の個人差は「出来事の受け止め方」と「対処の仕方」の違いで生じると説明しました。
 このコラムでは「みなさんの場合はどうですか?」とか、「振り返ってみましょう」「書き出してみましょう」などと毎回提案しています。ストレスと上手く付き合うにはまず、現在の自分の「状態」や「傾向」を知ることが重要だからです。このように自分で自分の状態を観察することを心理学では「セルフモニタリング」と呼びます。またそれで気付いたことは、ノートや手帳、カレンダーなどに書き出しておくことをおすすめします。自分のふるまい、捉え方、気持ちなどを見つめ、記録・評価すると、自分自身のストレスや困り事を客観的に捉えられるようになります。さらにそこから、冷静になれたり、新しい視点を得るなどの効果も期待できます。
 例えば、日々の身体や気分の調子を「100点満点」や「○×△」を評価基準にすると、ご自身の状態把握にも役立ちます。晴れ・雨・曇りというようにお天気マークで表現すると、記録が楽しみになるかもしれません。
 また、仕事やプライベートでの出来事も書き加えると、ストレッサーとストレス反応が、どう関わっていたのかつかめそうですね()。
 ストレスの4つの要素を1セットで書き出すと、自分のストレス状況も整理できます。 慣れるまでは、振りかえりや記録が難しいかもしれません。まずはできそうな(負担が少なそうな)ことから始めたり、お気に入りの筆記用具を使うなど、楽しみながらとりくんでみることをおすすめします。家族や友人、同僚たちと「記録を続ける」ことにチャレンジするのも良いかもしれません。
 ストレスと上手く付き合うための第一歩として、セルフモニタリングと記録をおすすめします。次回のテーマは、「怒りのコントロール」です。

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 代々木病院EAPケアシステムズ…2012年、同院健診センター(東京)が、「こころと身体のトータルサポート(健康づくり)」をコンセプトに開設。職場と連携し働く職員のこころの健康づくりをサポートする事業を担う。

(民医連新聞 第1625号 2016年8月1日)

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