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民医連新聞

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緊急連載 特養あずみの里裁判(3) 介護の未来かけ たたかう 木嶋日出夫弁護団長 刑事裁判はどうすすんでいるのか?

  長野・特別養護老人ホームあずみの里で二〇一三年一二月に起きたできごとが、刑事事件として訴追されています。弁護団長の木嶋日出夫弁護士の寄稿で、連載しています。今回は「裁判の経過」です。

 これまで裁判の公判は、四回行われました。
第一回公判…二〇一五年四月二七日、検察官の起訴状朗読
第二回公判…二〇一五年九月二日、被告人と弁護人の意見陳述・検察官の冒頭陳述
第三回公判…二〇一五年一二月三日、裁判長から検察官に六項目の釈明命令
第四回公判…二〇一六年三月一四日、弁護人の冒頭陳述・検察官から証拠調べ請求・弁護人から証拠調べ請求・検察官請求の証人尋問(一人)を次回公判で行うと決定

 弁護団の基本的な弁護方針は、「事実を全面的に明らかにすることによって、被告人の無罪・無実を勝ち取ること」です。そのために、弁護団は次の三点を明らかにしようと、精力的にとりくんできました。
(1)女性に異変のあったおやつ時の現場再現を行い、准看護師には女性に対する注視義務違反や見守り義務違反もなかったことを明らかにする。
(2)施設における看護師と介護職員の職務の違い、女性には「誤嚥の特癖」はなかったことなどを明らかにして、業務上過失責任の前提事実がないことを明らかにする。
(3)女性の心肺停止の原因がドーナツの誤嚥・窒息ではなく、准看護師の行為と死亡との間には因果関係がなかったことを明らかにする。

全力で無実を勝ち取る

 第四回公判では、弁護人が五時間におよぶ冒頭陳述を行いました。弁護団と特養あずみの里の役職員の皆さんのそれまでの事実解明の努力を集大成したものでした。検察官からは一六回におよぶ異議申立がありましたが、これらはすべて却下・棄却させて陳述を続けました。本件の全容を明らかにして准看護師の無実・無罪を勝ち取るうえで大きな一歩となりました。
 裁判は、いよいよ次回(一六年七月六日午前一〇時)から証拠調べに入っていきます。弁護団は、検察官から提出される証拠を弾劾し、弁護人が冒頭陳述で明らかにした本件の全体像を立証する活動に全力を尽くしていきます。

図

(民医連新聞 第1622号 2016年6月20日)