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民医連新聞

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「こころひとつ」熊本へ! 対策本部立ち上げ、民医連の全国支援を開始

 熊本県で起きた大地震。全日本民医連は、四月一六日未明の本震を受け「熊本地震対策本部」を設置(本部長‥藤末衛会長、本部長代行‥岸本啓介事務局長)。四月二〇日から本格的な全国支援を始めました。困難の中、医療を続け、地域を支援する熊本の仲間と「こころひとつ」に。第一報です。

■全日本民医連の動き

 一六日早朝から全日本民医連と熊本民医連の対策本部をインターネットでつなぎ、事業所・職員、地域の状況を聞き取り。続けて開いた緊急理事会で「全日本民医連熊本地震対策本部」を設置しました。全国で熊本民医連の医療継続と、被災した地域の支援をささえることなどを確認。本部や物資の拠点は、熊本市最寄りの大牟田市の米の山病院(親仁会)に置くことに。同院顧問の橋口俊則医師(福岡県連会長)は「困難な要求にも最大限応えたい」と決意を語っています。その日のうちに藤末会長が現地へ向かいました。
 週末の支援は、九州・沖縄地協が中心に担いました。熊本市には福岡から、水俣協立病院のある水俣市には鹿児島からのルート。
 また、国内で唯一稼働中の川内原発(鹿児島県)の緊急停止を求める要請文を首相官邸、経産省、九州電力に送りました。

■熊本―被災しつつ奮闘

 熊本県連では四月一四日夜の地震の対策本部を設置し、益城(ましき)町の支援を準備中でした。ところが一六日未明の本震で対策立て直し。
 県連内には三つの病院と、五診療所のほか、高齢者施設、薬局など十数事業所があります。貯水タンクの水漏れやエレベーターが使えなくなるなど被害も受けつつ、施設の一部を臨時の避難場所に開放するなど地域住民に対応しました。
 熊本市内にある菊陽病院(精神科)では、一四日の地震で倒壊の恐れが出た二カ所の精神科病院から、一四人の入院患者を受け入れ。また断水で人工透析ができなくなった施設が二一カ所、影響が一六〇〇人に出ました。くわみず病院の透析患者も米の山病院で引き受けました。
 強い揺れのくり返しで県内の医療機関に被害が出て、熊本市立病院(四三七床)はじめ県内六病院が倒壊や倒壊恐れ(四月二〇日時点)となりました。くわみず病院への救急搬送は通常の五~六倍に増えました。
 なお、くわみず病院の松本久副院長は、居住地の南阿蘇村で、内外の支援者と、仮設診療所の設置や運営、医療に当たっています。

■全国支援が開始

 四月二〇日、全国支援第一陣の三七人が熊本入り。大阪からの瀧栄志郎医師(六年目)は「避難所で健康相談にあたりましたが、地震の恐怖でストレスが強い。和らげる対策が必要」と話しました。
 第一陣に同行した、全日本民医連の牛渡君江副会長(看護)は「地域の医療機関の被災で救急搬送や患者が増え、満床以上の患者を受けながら、熊本の仲間は奮闘し医療を守っていました。支援に少しでもホッとしてもらえたら。私たちの支援は、患者も地域も大事にしたいからこそ職員に元気になってもらおうというもの」と。ほとんどの職員が被災し、車中泊など避難生活中です。
 民医連の緊急医療チーム・MMAT委員会の阿南陽二副会長と、下林孝好医師(奈良)、郷古親夫医師(宮城)が、大牟田と熊本で、体制などの整備に、また労働安全衛生が専門の田村昭彦理事(福岡)が職員の健康管理の支援に入りました。

(民医連新聞 第1619号 2016年5月2日)

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