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民医連新聞

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こころの健康 (1)ストレスとのつきあい方 代々木病院EAPケアシステムズ・臨床心理士 三浦文華

 はじめまして。今号から、こころの健康をテーマに連載をスタートします。「こころの健康」は、いきいきと生きるために欠かせないものです。難しく考えがちですが、誰でもコツをつかめば自分のこころを整えやすくなります。ここではそのコツをできるだけ分かりやすくお伝えします。
 最初のトピックスは、「ストレス」です。誰でも日常生活の中で様々なストレスを抱えています。特に、医療・介護・福祉といった対人援助職は、専門的技術や細心の注意・適切な判断が必要とされ、仕事量の多さに加え難しさという面でもストレスを感じることが多いですね。これらの出来事によって、落ち込みがちになったりイライラしやすくなるなど、「こころの健康度」が低くなりがちです。ストレスをなくすことはできませんが、うまく付き合うことはできます。ストレスとの付き合い方を一緒に考えてみましょう。
 第一歩として、ストレスについてみていきます(図)。ストレスは、「(1)きっかけとなる出来事(ストレッサー)」の経験が直接「(4)心身の変化(ストレス反応)」を引き起こすのではなく、「(2)出来事の受け止め方(認知的評価)」と「(3)対処の仕方(コーピング)」によって、心身に生じる変化が違ってきます。例えば、「上司に仕事を頼まれた」という出来事に対して、「自分には無理だ」と考えるのと「大変だけど興味深い仕事だ」という受け止め方では、落ち込みや仕事のやる気など、生じる気持ちが異なります。またその仕事を「一人で黙々とすすめる」か「他の人に協力を頼む」という対処をとるかでも負担感や辛さが異なってきます。
 このように、同じ出来事であっても受け止め方や対処の違いで、その後の心身の変化が異なるのです。
 次回からストレスを詳しくみていきます。

図

(民医連新聞 第1617号 2016年4月4日)