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民医連新聞

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もんじゅ君の温暖化のお話 CO2はどこからやってくる?

 昨年12月にひらかれたCOP21では、閉幕ぎりぎりで「パリ協定」が採択されたね。これは京都議定書以来17年ぶりの、そして先進国だけじゃなく途上国もふくむたくさんの国が参加するとりきめとしては初の、温暖化を止めるための国際的な法的枠組みなの。

なんとか話がまとまったCOP21

 具体的には、(1)産業革命以後の地球の気温上昇を2度未満に抑える、(2)できれば1.5度までをめざす、そのために各国の出すCO2などを減らしましょう、という内容なんだ。
 条約に加盟する196カ国すべてが、温室効果ガスの削減目標をこれからそれぞれ立てて国連に提出するの。日本もまだ草案の段階だけど、「2030年までに、2013年にくらべて26%減らす」という目標をかかげているよ。
 また会議では、実現のために先進国が途上国に年間1000億ドル(約12兆円)程度の資金援助をつづけることも決まったんだ。

CO2の半分以上が工場やオフィスから

 さて、そんなわけで日本は、2030年にはCO2などをいまの26%減にする、つまり「4分の3にします」といっているわけ。それにはまず、CO2がいったいどこから出ているのかを知らなくちゃいけないよね。
 2014年度に日本で出たCO2はぜんぶで12億6600万トン。内訳を見てみると、もっとも大きいのは工場などの「産業」で、36%。そのつぎがオフィスやお店などの「業務」から22%。3番目は自動車や飛行機などの「運輸」から18%。実は、身近な「家庭」から出ているのは16%にすぎないんだ。そして最後が発電所などの「エネルギー」で8%。
 ちなみによく「CO2削減には原発がいいんでしょ」っていわれちゃうんだけど、それは誤解なの。2014年はふくいち君の事故をうけて日本では1基も原発が動いていなかったんだけど、節電などの効果もあって、原発が使われていた90年代・00年代とくらべても発電によるCO2排出量は少なかったんだよ。
 原発なしで電気をつくったからといって、そのまますぐにCO2が増えるってわけじゃないんだよね。

図


もんじゅ君 (@monjukun) 高速増殖炉、エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られる。公式サイト:http://monjukun.com

(民医連新聞 第1612号 2016年1月18日)

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