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民医連新聞

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もんじゅ君の温暖化のお話 温暖化対策、なぜ各国に温度差があるの?

 国連の温暖化対策会議・COP21で、「パリ協定」が採択されたね。この協定は先進国も途上国もふくめた参加国すべてがとりくむ、温室効果ガス削減のための枠組みなんだ。
 会議は難航して、国際問題としての地球温暖化対策のむずかしさが改めてわかったよ。
 CO2はただよって世界中に散らばるでしょ。一部の国だけが減らす努力をしても、ほかの国がたくさん出すままじゃあまり意味がないよね。みんなで一緒に減らさないと効果が出ないから、「削減の数値目標=国際的な約束」を決めるCOPのような場が必要なの。

先進国と新興国では前提条件が違う

 ただし数値目標を持つとなると各国のあいだ、とりわけ先進国と新興国のあいだに不公平感が出てきてしまうの。だって先進国は産業革命以来、つい最近まで思う存分CO2を出して開発したり生産したりして、発展してきたわけだよね。その道を何十年かあとからたどっている新興国に対して「みんなでガマンしようぜ」といったって「ずるいよ。オレたちだって近代化したいよ!それにはどうしてもCO2が出ちゃう。それに、そもそも人口1人あたりの排出量は、先進国よりまだまだ小さいのに」ってお話になるでしょ。
 だから目標設定だけでなく、それを実現するために資金面や技術面で新興国を応援していくことが重要だといわれているよ。

「イチ抜けた」では困ります

 これまで温暖化対策の国際的なとりきめといえば、2008年のCOP3で決まった京都議定書しかなかったの。ただ、あれは先進国だけの約束だったし、当時最大の排出国だったアメリカがあとから「やっぱりやーめた」と抜けちゃって、結局EUや日本など一部の国だけの不十分なとりくみに終わったんだ。
 いまでは中国が世界最大、アメリカが第2位の排出国で、その2カ国で全体の4割を超すCO2を出しているの。だからその2つの二酸化炭素大国も含めて、COP21に参加した約150カ国がおなじ未来をめざして進んでいけるかどうかが実効性のカギなんだよ。


もんじゅ君(@monjukun)高速増殖炉。エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られる。公式サイト:http://monjukun.com

(民医連新聞 第1610号 2015年12月21日)

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