もんじゅ君の温暖化のお話 難民問題の原因にも? 気候変動の深刻さ
おひさしぶりです、もんじゅ君ですだよ。まえにも民医連新聞でエネルギー問題について連載させてもらってたけど、今回からは6回にわたって「地球温暖化」についてみんなと一緒に考えていきたいんだ。よろしくね。
温暖化対策の世界会議・COP21が開催
11月末から、世界各国の代表が集まって「気候変動をくいとめる具体的な目標」を決める会議、COP21がパリで開かれているよ。
そうそう、日本じゃ「温暖化」って言葉がメジャーだけど、世界的には「気候変動(climate change)」という言い方が主流なの。この連載では2つの言葉を混ぜて使っていくけど、ほぼ同じ意味だととらえてね。
COP21の正式名称は「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議」。1995年から毎年開かれていて、あの有名な京都議定書も、97年のCOP3で定められたものなんだ。
京都議定書が画期的だったのは、2008~12年の温暖化ガスの具体的な削減目標を決めたこと。日本6%、アメリカ7%、EU8%、それぞれ「90年に比べて、これだけ温暖化ガスを減らそう」って設定したんだ。でも、それ以降の各国の足並みはそろっていないの。
世界の気温はどれほど上がる?
そもそも地球温暖化ってどれほど進んでるんだろう? 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPPC)」は、いまのペースでCO2などの温室効果ガスを出しつづけると、世界の平均気温はこの100年で2.6度~4.8度も上がると予測しているんだよ。このハイペースな上昇は、長い地球の歴史から見ると異常なこと。いまの温暖化が人間の活動のせいだっていう可能性は95%と、とても高いんだ。
対策をとらず放っておくと、21世紀末には世界の海面が最大82センチ上がり、いっぽう水不足が起こるなど、深刻な影響が出るの。
平均気温が上がると穀物の生産量も大きく減るわけで、現に「シリア難民問題も、2006年から起きた干ばつが原因の1つ」とする説だってあるんだ。温暖化は遠い話じゃなくて、人々の暮らしを大きく左右するものなんだ。
だからこそ、温暖化についてボクたちに何ができるのか、いっしょに考えていきたいな。
もんじゅ君(@monjukun)高速増殖炉。エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られる。公式サイト:http://monjukun.com
(民医連新聞 第1609号 2015年12月7日)
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