憲法なう(47) 三権分立 その2
【司法権(裁判所)の役割はどんなものがあるの?】
憲法は、三権分立というシステムを取り入れましたが、その中で重要な役割を担うのが司法権(裁判所)です。
戦前、行政権(政府)や立法権(国会)の暴走を司法権は食い止めることができませんでした。その反省の上に立って、憲法では、裁判所に対して、国会の作った法律が憲法に反していると判断した時には「無効」との判断をなしうる権能(違憲立法審査権)を与えたのです。
多数決の原則が支配する政府や国会とは異なり、裁判所では法律に基づいて事実を判断します。このおかげで、政府や国会、すなわち「多数派」の決定によって、自らの権利を侵害された個人、すなわち「少数派」が、裁判所に権利の救済を求めることができるようになったのです。
明日の自由を守る若手弁護士の会
(民医連新聞 第1609号 2015年12月7日)
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