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民医連新聞

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里子・里親 文・かあちゃん 最終回:「また、どこかで!」

 かあちゃんは、民医連歴二二年。内科医師をしています。病院では、研修委員長、院内感染対策、倫理委員などを掛け持ちしています。アキラに「かあちゃん。毎日仕事やん、遊べんと?」と叱られています。忙しい中で、七年間の不妊治療や里親研修は、夫と、職場の理解・協力なしにはできなかったこと。感謝の気持ちでいっぱいです。
 不妊治療では、期待と失望を繰り返し、医学の発展と「そこまで命をいじっていいのか」という想いに揺れました。そして限界。里親研修では、児童相談所の(懐かしい)座学研修と放牧式実習。出会った子どもたちと貧困社会の見え隠れ。私たち夫婦は戸惑い、悩みながらすすんできました。その経験は医師の仕事でも生かせていると思っています。
 一〇月に、遅い夏休みをとり、家族で再び沖縄の辺野古・高江・伊江島に行きました。今回はおばあちゃんもいっしょです。ゲート前のデモでおばあちゃんは「六〇年前に歌った『沖縄を返せ』を今も歌わないかんことを、何とかせなあかん」とプラカードを掲げてコールしました。
 アキラは、歌に合わせて踊りながら、「なんで戦争すると?」と聞いてきます。三歳の頃に買った絵本『キンコンカンせんそう』や七〇年前の戦争のこと、この夏の戦争法案反対の行動がつながっているのか、いないのか、ときどきドキッとすることを言うようになりました。この子どもたちの未来のためにも、戦争をする国にしてはならないと、キャンプシュワブのゲート前で発言してきました。偶然、同じ場にいた北海道勤医協の人から声をかけていただいたのもこの連載のおかげです。
 毎朝の幼稚園のお弁当作りが私の日課です。前夜にメニューをメモして下ごしらえをすませてから寝ます。とうちゃんも毎日の送り迎えや運動会の準備、よさこい祭りでは煽り役も引き受けて、がんばっています。ときどき疲れてタッチ交代する時は、正直アウェー感一〇〇%で、ドキドキして参加します。世のお父さんってこんな気持ちでしょうか?
 朝から二人のケンカがまた始まります。それでもじゃれあって離れない二人。三人かな。大きくなったアキラと私たちを、またどこかで紹介できる機会があればいいですね。

かあちゃん…本欄の執筆者、朝比奈土平の妻、アキラのかあちゃん

(民医連新聞 第1608号 2015年11月16日)