戦争法 “賛成議員は落選を”の声 たたかいは次のステージへ
【法案強行までの1週間】
9月14日 六〇日ルール(参議院で法案を採決できなくても衆議院に差し戻し採決できる)の発動日。国会前では日中から座り込み。夜の抗議行動には四万五〇〇〇人以上が詰めかけ、国会前の車道を埋めました。
15日 中央公聴会。自民党推薦の坂元一哉大阪大教授は「法案は日米同盟を強化し抑止力を高める」「最高裁が集団的自衛権行使に違憲判決を出さないとの政府の判断は当然」と公述。元最高裁判事の浜田邦夫氏は「法案は違憲。砂川事件判決を集団的自衛権の行使容認の理由にするのは問題」と与党を批判。SEALDsの奥田愛基さん(大学四年)は「憲法を無視することは国民を無視するのと同じ。国会答弁や首相の説明に不安を感じた人が各地で声をあげ始めた。強行すれば、さらに声はあがる」。この夜の国会前でも数万人が抗議しました。
16日 横浜市で地方公聴会。会場前に人々が集結。地元の友の会からも。地方公聴会後、参院安保特別委での締めくくり総括質疑を鴻池祥肇委員長と自・公両党が設定。公聴会当日の採決は、公聴会の内容を審議に反映しない非常識な手続きです。深夜まで抵抗する野党を、国会の外で人々が応援しました。
17日 午前中、鴻池委員長が締めくくり総括質疑の開催と質疑終局を職権で決定。民主党が委員長の不信任動議を提出。不信任が否決されると、締めくくり総括質疑抜きに審議が打ち切られ、与党が力ずくで採決。速記録も「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」と。
国会前では雨脚が強まっても抗議の人々が立ち続けました。「自転車で来た」と東京民医連の特養職員も。俳優の石田純一さんがスピーチし、大きな拍手。
18日 前日の委員会採決を受け、法案が参院本会議に緊急上程。五野党は、衆院に安倍内閣への不信任決議案を提出、参院では議員運営委員長の解任決議案、防衛相の問責決議案、議長への不信任決議案、首相への問責決議案を提出し、採決に抵抗しました。
夕方「安全保障関連法案に反対する医療・介護・福祉関係者の会」のデモと集会が東京で行われました。呼びかけ人の伊藤真美医師は、八月の会結成から、呼びかけ人が九九人、賛同署名は七九八八人になったと報告し、「『いまは新しい時代の夜明け前。夜明け前が一番暗い』。医療班をしていた国会前で聞いたこのスピーチに共感しました。法案が通されてもどんな立ち位置ですすむか、考えていく」と決意。
国会周辺は深夜近くなっても人波が。「一時から居る」という埼玉の職員も。
19日 零時を過ぎても数千人が国会前に。街頭宣伝を終え、最終の新幹線に飛び乗った大阪の若者らも到着。審議中継を聞きつつ、反対討論する野党議員の名を呼び「がんばれ!」と声を枯らしました。二時一八分、可決。「採決撤回」や「賛成議員は落選させよう」のコール。空が白み始めた五時まで続けました。
この日のうちに憲法学者が違憲立法訴訟を表明、共産党が戦争法廃止の国民連合政府の実現を呼びかけるなど、たたかいは次のステージにすすんでいます。
(民医連新聞 第1605号 2015年10月5日)