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民医連新聞

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戦争法反対! 廃案めざして歩く 毎日昼休みデモ 愛知 北医療生協

 安倍政権がすすめる戦争法案に反対し、各地で民医連の仲間が立ち上がっています。愛知・名古屋市の北医療生協では、毎日昼休みにデモ行進を続けています。三五日目の七月一五日、取材しました。(田口大喜記者)

やるなら全力!

 「戦争法案を廃案にさせるために行動したい!」―。これがとりくみのきっかけでした。法案の国会審議が始まり、「やるなら全力で!」と平日は「毎日」、昼休みにデモ行進をすることにしました。
 職員がレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの戦隊ヒーローのスーツを身にまとい、アピールにも趣向を凝らしています。「長野の仲間がやっている25条マンを参考にしました」とレッド担当の竹内一馬さん(二九、事務)。
 この日の参加者は医師、看護師、事務と地域の人を含めて二三人。「誰でも参加OK」で、事前の参加集約は行わず、誰が参加するかはその日になってみないと分かりません。「最初は、いつまで続くか不安でした。でも、毎日誰かが必ず来てくれた」とブルー担当の中根達仁さん(二五、事務)。
 デモは一二時半から三〇分、北病院のまわりの住宅街を歩きます。地元メディアからも注目され、テレビ局も取材に来ていました。中日新聞(七月一五日)の記事では「平和ゴレンジャー」と命名されました。
 ジャンベ(西アフリカの太鼓)の軽快なリズムにのり、「戦争したがる総理はいらない!」、「強行採決絶対反対!」とシュプレヒコール。道行く人や車に手を振ってアピールします。
 車内から手を振り返してくれる人や、自転車を止めて声をかけてくれる人もいました。手おし車を押すおばあさんも「がんばって!」と。平和ゴレンジャーは下校中の子どもたちの注目の的。
 「時間が許す限り参加している」という七〇代の女性は「若いのは歩くのが速いね」と息を切らしつつ、コールを絶やさず、一生懸命歩きます。「戦争をさせない」という強い思いです。
 コース途中には保育園もあり、保育園から子どもたちが声援を送ってくれることもあるそう。
 ジャンベ担当の橋本聖(きよし)さんは医療生協の組合員さん。コース途中の保育園に勤めていました。「子どもたちの未来を守るのは大人の責任。声をあげるのは大事なことですから」と語りました。
 デモの最中、戦争法案が特別委員会で強行採決されたという知らせが。シュプレヒコールは怒りで一層大きなものになりました。
 近藤知己院長も白衣で参加。「強行採決は許されません。戦争は人類には疫病のようなもの。反対するのは医療人の役割です。沖縄など他の問題も含め、全国で手を取り合ってがんばりたい」。

確実に広がってきた

 当初、まわりがデモをみる目は、「何やってんだろ?」といったものでした。一カ月以上続けた今はお年寄りから子どもまで、たくさんの人が応援してくれます。激励の電話があり、カンパをもらったこともありました。マンションから手を振り返してくれていた人の中には、一緒に歩くようになった戦争体験者もいます。
 職員の中でも、「情勢や運動を考えるきっかけになった」と言う人がいるなど、「毎日デモ」は確実に広がりをみせています。また、他の地域でも、北医療生協のとりくみに刺激され、短時間デモが始まるなど嬉しい飛び火も起こっています。
 「戦争に向かおうとする流れに対し、誰かにすすめられてではなく、主体的に動いてほしい。このデモが足を踏み出してみるきっかけになること、またその受け皿になれば」と竹内さん。
 「最初はレンジャー衣装を着るのが恥ずかしくて…」と語る中根さん。しかし、「声援が何よりの励み。次第に快感になる」と平和ゴレンジャーは口を揃えます。
 楽しくまじめに戦争反対! 毎日デモのゴールは「戦争法案が廃案になるまで!」です。

(民医連新聞 第1601号 2015年8月3日)