医療改革関連法案、衆院で採決 「ろくに審議ない」 事態知らせ、広げよう
四月一七日から衆議院厚生労働委員会で審議が始まっていた「医療保険制度改革関連法案」(持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案)が同月二八日、衆議院で可決されました。連休明けの五月一二日には参議院での審議開始、成立強行を目論んでいます。
■いのちに関わる法案が
同法案は、五つの法の改正をひとくくりにして提案された昨年春の医療・介護総合法と同じ手法で提出されています。国民健康保険の都道府県単位化や入院給食費の大幅引き上げ、後期高齢者医療の保険料の低所得者向け軽減措置の廃止、「患者申出療養」の創設など、いのちを左右する重大な内容を含んでいます。短期間の審議で通して良いものはありません。
法案審議は参考人質疑も含め、四日間・実質二〇時間足らずでした。「いのちに関わる制度見直しが、こんな粗雑な審議でいいのか」―。二四日、厚労委員会で採決強行直後の緊急議面集会(写真)は、怒りであふれました。
この間の審議の傍聴には三九団体から一三五人が参加。二日連続で傍聴した埼玉民医連の保土田毅さん(事務)は「ひどいです。まともな審議はない。質問する国会議員も、法案の問題を分かっておらず、答弁する側も『決まっていない』『これから検討』で済ませている」と、話しました。
■抗議、緊急の行動提起
全日本民医連は同日、採決強行への抗議声明を発表。「患者、国民には多大な負担増を強い、医療の保険給付の抑制をすすめ、国民皆保険制度を根本から解体し、患者に安全性・有効性が未確立な医療の自己責任を負わせる制度は廃案にすべき」と求めています(全文はホームページに)。
また、法案の審議開始から、国会傍聴や地元選出議員、厚生労働議員などへの要請行動、要請ファックスの送付などの「緊急行動提起」を行ってきました。
職場や地域でこの問題を学べる社保ビラ(「民医連新聞」号外)、民医連新聞でシリーズ連載してきた「安倍政権社会保障解体戦略を読む」などの活用を呼びかけています。
(民医連新聞 第1595号 2015年5月4日)