熊本・くすのきクリニック　坂本由利子さん

　2015年４～５月に開かれるＮＰＴ（核不拡散条約）再検討会議に向け、 全日本民医連は「核兵器全面禁止のアピール」署名を300万筆集めようと呼びかけました。ＮＰＴ会議まであと半年を切りました。もっと署名を集めたい。そ こで今号から50筆以上の署名を集めた「ピースチャレンジジャー」のみなさんに登場してもらいます。１回目は熊本・くすのきクリニック看護師、坂本由利子 さんです。

一人一人の「思い」を預かる

　2015年のＮＰＴ再検討会議に向けて９条の会から「チャレンジャーに登録しませんか？」 と声がかかりました。核廃絶の力になれたら、と目標の50筆をめざし業務の合間に患者さんへの声かけを始めました。これまで街頭での署名は断られる事もあ りましたが、声をかけた外来の患者さんたちは快く署名に応じてくれました。中には「核兵器は絶対にいかん。日本をまた戦争する国にしようとしている」と安 倍内閣への不安も聞かれました。患者と看護師という立場の違いはあっても平和を願う人同士のつながりを感じ、また一筆にそんな「思い」を預かっているのだ と、署名の重みを感じました。

もっと輪を広げたい

　もっと署名を広げたいと思い、夫や飲食店を営んでいる母へも署名用紙を託しました。同僚から知人、お客様へと署名の輪が広がりました。協力してくれた家族や、待ち時間の合間に快く協力してくれた患者さんに感謝し、今後もＮＰＴに向け広げていきたいです。

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署名集めに役立つハナシ

■ＮＰＴについて…核不拡散条約。アメリカ・ロシア・イ ギリス・フランス・中国に限定して核兵器保有を認めた条約で、190カ国が入っている。保有国には核軍縮の努力義務を、その他の国には核兵器保有や製造を 禁じる。５年ごとに再検討会議を行う。インド、パキスタン、イスラエルは未加入、北朝鮮は03年に脱退し保有国に。
■核兵器のいま…地球上には現在、１万6000発以上の核兵器が。アメリカとロシアで全体の９割を保持。７万発あった冷戦時代からは減ったが、人類を何度も絶滅させるほどの脅威は減っていない。
　一方、国連加盟国の大多数が「核兵器ＮＯ」の立場。核を持つことも外国の配備も禁じた「非核兵器地帯」は南半球を覆い、中央アジアにも拡大。世界の意志は明らかに「非核」へと向かっている。

（民医連新聞　第1585号　2014年12月1日）