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民医連新聞

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フォーカス 私たちの実践 排尿障害に対して 沖縄・とよみ生協病院 患者ごとに排泄評価を行い紙パンツ卒業でADL向上めざす

 沖縄・とよみ生協病院は全八五床、うち四八床が回復期リハ病床です。回復期に入院している患者の大半が後遺症や認知症のために排 尿障害を抱えています。排泄の自立は退院時の指標にもなる大きなポイントです。病棟では、それまで使っていた紙のリハビリパンツを綿パンツへ移行すること で効果も出てきました。介護福祉士の国仲すえ子さんからの報告です。

「失禁ないのに紙パンツ?」

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「リハビリパンツ卒業」の表彰状

 リハビリでADLが向上すれば、日中はトイレ誘導で、夜間は室内にポータブルトイレを置い て患者に合わせて紙パンツでの排泄介助をしていました。そんな中、「失禁はないのにいつまで紙パンツ?」と、介護スタッフから疑問が出ました。ADLアッ プにもつなげるために、綿(布)パンツへの切り替えを始めました。
 まずは全患者の排泄ファイルを作りました。それをもとに週一回、排泄チームで排泄評価を行うことに。メンバーは師長、リーダー、介護、リハビリスタッフ です。リハビリパンツ卒業を認可した患者さんには「表彰状」として本人や家族へ綿パンツの準備をお願いします。そして次回入浴時に切り替えを完了。切り替 わった事を排泄評価に記入し、全体ミーティングで申し送ります。

不安もあるが大好評

 このとりくみについて、患者さんや家族、スタッフからアンケートをとりました。綿パンツに 切り替えた患者さんからは、失禁するかもしれないという不安も出ましたが「不快感が無くなった」、「排泄への意識が高まった」、「動きやすい」など八七% が「切り替えて良かった」と回答しました。洗濯物が増えたという声も聞かれましたが、洗って再利用できる綿パンツは経済的負担も軽減できるという副産物も あり、喜びの声が大半を占めていました。
 回復期病棟では月一回の「介護会」と呼ぶ全体会議を二回に増やし、オムツはずしについての文献を読み合わせました。学習を重ねて、排泄がいかに人間に とって大切か。そのことで自尊心が保たれたり、傷つきもすること。患者さんにとって排泄行為は重要なことだと改めて認識しました。
 「排泄方法を改善し、不要なオムツの使用を減らすことが、介護の質を向上させるだけでなく、介護負担を軽減することにもつながる」。これはオムツ外し運 動第一人者の竹内孝仁さん(国際医療福祉大学教授)の言葉です。

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アンケートで課題も

 先述のアンケート調査からは、スタッフの排泄への意識が高まっていることが分かりました。また排泄ファイルを作ったことで全患者の排泄状況が把握でき、安易にポータブルトイレを使わず、昼も夜もトイレ介助が行えるようになりました。
 スタッフからは、「リハビリパンツ卒業をすすめたことで、患者さんも排泄に自信が持てているのでとりくみを継続したい」という意見も出されました。ま た、一連のとりくみは患者さんの意見を重視して行った方がよいとの意見も。排泄チームの動きや、進行状況を全スタッフに共有する課題も明確になりました。

*    *

 これからも、病棟全体で患者ひとりひとりに合った排泄支援を続けていきたいと考えています。二年前に立ちあげた排泄チームを充実させ、今後はオムツの病棟管理も視野に置いています。

(民医連新聞 第1584号 2014年11月17日)