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民医連新聞

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第12回 看護介護活動研究交流集会 in青森 “いのち・人権・くらし”を 守り支えきる実践多彩に

 一〇月一二~一三日、青森市内で第一二回看護介護活動研究交流集会(看介研)が開かれ、九一七人が集まりました。「“いのち・人権・くらし”を守り支えきる民医連の看護・介護の力」をテーマに、二日間にわたって学び合いました。

 「医療を民衆の手に―。これは、青森民医連初代会長の津川武一会長の言葉です」。集会は地元・青森民医連の紹介DVDの上映で幕を開けました。全県から看護師、介護福祉士などを中心に多彩な職種の民医連の仲間が集結しました。
 運営委員長の野村鈴恵さんがあいさつ。「日本を戦争する国にするか、人権が輝く国にするか、命を何よりも大切にする民医連の出番です。健康権の実践者と して、患者、家族、地域の方々、共同組織とともに、要求実現のためにたたかうこと、最後まで寄り添い支えきることなど、豊かな実践が報告されます。大いに 討論し学び合いましょう」と呼びかけました。全日本民医連の岸本啓介事務局長、現地を代表して青森民医連の伊藤真弘会長があいさつしました。

■青森市長も歓迎あいさつ

 開催地・青森市の鹿内(しかない)博市長が来賓あいさつ。青森市は昨年から、無料低額診療制度利用者の保険薬局での薬代を独自に助成し、青森保健生協と連携しています(本紙二〇一三年八月五日付で報道)。
 鹿内市長は、ノーベル平和賞を一七歳のマララ・ユスフザイさんが受賞したニュースに触れ、「子どもたちの幸せが全ての市民の幸せになるように」との考え から、同市で子どもの医療費無料制度の拡大や少人数学級をすすめていると紹介しました。その上で「皆さんの集会が、まさに“いのち、人権、くらし”をテー マに本市で開催されることに感謝の意を表したい。さらなる前進のステップとなりますように」と期待を寄せました。
 記念講演は、「老い」をテーマに写真を撮り続けている写真家の田邊順一さんによる「レンズを通して見た生命の輝き」。田邊さんは、「民医連を知ったのは 三〇数年前。職員のように毎日民医連の事業所に通い、撮影したことも。写真を通して出会った皆さんは、“生きる”とはどういうことかを教えてくれました」 と語りました。かつての老人病院で行われていた高齢者への“抑制”に見られるような人権を軽んじる医療の実態、下町でご近所にささえられて人生を全うした 女性、厳しい暮らしの中で母を看取った町工場の男性、軽自動車で寝泊まりし旅をしながら、リウマチで寝たきりの妻を一二年間介護した男性…。参加者は、一 枚一枚の写真を食い入るように見つめながら田邊さんの語りに耳を傾けました。
 全体会では四人が指定報告。「重症管理を乗り越え生きる意欲を見いだせた取り組み」(鹿児島)、「ライフレビューを取り入れた看取りケア」(香川)、 「A病院における子育て支援策」(山梨)、「地域の病院訪問と就職フェア八年間の取り組み」(東京)に質問も相次ぎました。
 全体会に続き、「人権を守り、ともにたたかう看護、介護」「健康づくりを支援するためのまちづくりとヘルスプロモーション活動」など一〇テーマの分科会 とポスターセッション、合わせて四五六の演題発表がありました。

*    *

 ナイトセッションでは、日本民謡協会善知鳥(うとう)会による津軽三味線、民謡、手踊りに、会場から惜しみない拍手が送られました。「ねぶた愛好会」に よるねぶた体験も。同会は三五年前に民医連職員や労働組合の有志などで発足し、市内で唯一スポンサーをつけずに運営しています。現地実行委員や運営委員も 「跳人(はねと)」衣装で登壇。青森の職員の「ラッセラー、ラッセラー!」の掛け声に合わせ、参加者も一緒に踊りました。

参加者の声

●五十嵐きよみさん(看護師、東京・東葛病院)介護事業所づくりを検討しています。「やりたい!」と思える事業や自治体に運動して実現した制度など、参考になりました。
●蔵元尚之さん(介護福祉士、京都・介護老人保健施設西の京)センサーマットの効果的な使用について報告。介護職の歴史は浅いので実践を積み重ね職業としての社会的立場の向上につなげたい。
●園田舞さん(看護師、福岡・たたらリハビリテーション病院)写真家の田邊順一さんのお話に衝撃を受けました。戦後の看護・介護状況がこんなにもひどかったとは。あってはならないことですね。
●河瀬桂子さん(看護師、島根・出雲市民病院)どの報告も、他職種との連携を意識しつつ患者さんの目線も捉えていて驚きました。若い職員の参加も多く、安心してバトンタッチできそうです。
●田中栄一さん(介護福祉士、石川・城北クリニック)昨年県連介護職種部会で初めて介護ウエーブにとりくみました。全国の経験を聞き、民医連綱領や介護の指針をしっかり学びたいと思いました。

(民医連新聞 第1583号 2014年11月3日)