第12回全日本民医連 共同組織活動交流集会in近畿 “いのち輝かそう” 史上最高の3000人超 全県からつどう
九月七~八日、全日本民医連は神戸市のポートアイランドで第一二回共同組織活動交流集会を開催。全都道府県から集まった参加者は 過去最高の三一九一人、各地のとりくみから学び、やりがいや悩み、日々のドラマを交流する二日間を過ごしました。共同組織は、あらゆる活動のパートナーと して、民医連には不可欠な存在で、現在全都道府県に三五〇万を超える組織になっています。今回の集会テーマは「憲法・平和・いのち輝かそう~安心して住み 続けられるまちづくり」です。
現地兵庫が歓迎に企画したオープニングは、神戸・南京町を拠点に活動する「舞獅隊(ぶしたい)」。にぎやかに打ち鳴らされる鐘の音に乗って練り歩く鮮やかな色の獅子たちの登場に会場が沸きました。
開会宣言の後、兵庫民医連の合田泰幸会長と現地実行委員会の漁島國弘委員長が歓迎の言葉を述べました。漁島さんは冒頭、広島市で起きた土砂災害で共同組 織にも犠牲が多く出たことを、声を詰まらせ報告。その後の支援活動や、広島共立病院が病院旧館を避難所に提供していることなどにも触れ「いのちと暮らしを 守る民医連の存在意義が発揮されている」と語りました。
また、兵庫県と神戸市からもあいさつがありました。
存在感増しさらに大きく
基調報告では、戦争する国づくりを狙う安倍内閣が、社会保障を壊す施策を打ち出し、TPP、消費税増税、原発の再稼働など、どれをとっても国民の願いに逆行する存在だと指摘し、今回の集会が「激変・激突」の情勢の中で開かれている、としました。
そして、多彩な共同組織の活動が地域で存在感を増していることを紹介。さらなる前進の目標として、二年後の交流集会までに四〇〇万の共同組織、一〇万部 の『いつでも元気』の実現を提起。「四〇〇万の共同組織は、日本の全世帯四七〇〇万の一割に接近するステップで、まちづくり、健康づくりの大きな力にな る」と、呼びかけました。
記念講演は弁護士の宇都宮健児さんが「憲法を守り、生かそう!」と題して行いました。
「共同組織の過去・現在・未来」と題したリレートークでは五人が登壇し、次のような報告を行いました。「負(倒産)の遺産を未来へつなぐ」(山梨健康友 の会)、「共同組織の視点での六〇年の振り返り」(大阪・健康友の会みみはら)、「薬局の無低診事業のとりくみ」(北海道・道北勤医協友の会連合会)、 「新基地建設を許さず、知事選勝利を!」(沖縄医療生協)、「県内の全行政区と生活圏に健康権・生存権を守る支部づくりをめざす」(石川・南加賀健康友の 会)。困難を乗り越えてきた歴史やすすんだとりくみにどよめきが起きたり、涙する姿も。
共同組織、欠かせぬ歴史
またこのリレートークに先だち、全日本民医連の藤末衛会長が、二〇一三年末に全日本民医連 が発表した「人権としての医療・介護保障めざす民医連の提言」について報告。「私たちにこのような提案ができるのは、『生活と労働の視点』『民主的集団医 療』『共同の営み』など創立時から掲げていた医療哲学があったことや、失敗にも学び課題を克服しながらすすんできた六〇年の歴史と深く関わっています。ま たそこには地域の人々の存在が不可欠でした」と語りました。そして「提言」が「手遅れ死亡事例調査」や「生活保護受給者の実態調査」など、医療・介護の現 場でつかんだ国民の実態に基づいており、社会保障制度解体や医療・介護の市場化をすすめる政府に政策変更を求める内容であると紹介しました。
分科会…381本の報告
二日目は分科会。憲法と平和、自治体運動、まちづくり、健康づくり、組織拡大など七テーマ で、三八一の演題発表がありました。加えて、来年二〇年になる阪神淡路大震災と、原発事故被災を語り合う特別分科会や、被災地を歩くツアー、非核神戸方式 について学ぶ「動く分科会」もとりくまれました。
二〇一六年に開催予定の第一三回集会は、石川県金沢市が開催地となります。また、この場で呼びかけた広島の災害カンパは四六万四五二〇円になりました。