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民医連新聞

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第一回評議員会議案のポイント 「激突」の時代、「飛躍」のとき 全日本民医連 岸本啓介事務局長に聞く

 全日本民医連理事会は第一回評議員会議案を発表しました。評議員会は、二年に一回開催される民医連総会の間に計三回、半年ごとに 開かれます。総会に次いで重要な会議です。四一期総会後初の評議員会の目的は、(1)半年間の活動を振り返り、教訓をまとめる(2)情勢の特徴をつかみ第 二回評議員会までの重点課題を確認する、の二点です。岸本啓介事務局長にポイントを聞きました。(田口大喜記者)

「激突」の時代~国民が動き出した

 二月の総会以降、情勢はめまぐるしく変化しています。安倍政権は集団的自衛権を行使し、日本を戦争する国に作りかえようとしています。また福島第一原発事故の反省もなく原発の再稼働をめざしています。
 四月一日には消費税を八%に増税。「消費税は社会保障にあてる」と、国民多数の反対を無視して強行したというのに、その後の国会では診療報酬のマイナス 改定や、病床数削減、介護保険制度大改悪を盛り込んだ「医療・介護総合法」を通すなど、国民の負担が増大するものばかりです。
 七月には「改正生活保護法」を施行し、申請手続きの厳格化や扶養義務の強化などの改悪が行われました。一方、企業の法人税は来年度から引き下げる方針 で、消費税は社会保障に使われるのではなく、法人税の穴埋めにされるのです。
 これら安倍政権のどの「暴走」政策も国民は望んではいません。集団的自衛権行使容認の閣議決定以降、安倍内閣の支持率は急落、不支持率は第二次安倍内閣 発足以来初の四〇%台に上昇しています。そして七月一三日に行われた滋賀県知事選挙では、自民・公明がおす与党候補が敗北しました。今、どこでも要求と運 動が「安倍退陣」の声と一体となってうねりを作り始めています。
 「いのち」、「憲法」、「綱領」の三つのものさしで時代を見つめ、歴史を前にすすめなければなりません。
 “潮目”を変えるチャンスが、一一月に行われる沖縄県知事選挙です。全日本民医連はこの選挙を全国的な課題として位置づけました。昨年一二月に沖縄県知 事が辺野古での新基地建設を容認し、七月一日から辺野古での工事が強行されています。しかし五月五日付の世論調査でも七三・六%が普天間基地の県内移設に 反対で、「新基地移設ノー」の民意には揺るぎがありません。県民の意志を代弁できる知事を誕生させることが、辺野古新基地建設中止の最大の力であり、また 安倍内閣の暴走を止めることにもなります。

方針学習を「力」に

 総会後、総会方針の学習・教育月間にとりくんできました。総会方針実践の具体的なとりくみ が数多く紹介されたDVDは、方針を現場に引き寄せて考える絶好の教材として好評です。『看護10ストーリーズ』の普及は七〇〇〇部を超えています。これ らを大いに活用し、民医連への確信を広げていきましょう。
 議案は「総会方針」、「憲法」、「提言」の学習を呼びかけています。議案ではこの学習の大切さ、つまり様々な疑問は学ぶことで大きな力となり、放置すれば組織の後退につながることを強調しました。

政権の「暴走」くいとめよう

 第二回評議員会までの半年間の課題として(1)平和憲法を守り、活かす、「地域」から平和 と人権を守る大運動をすべての県連でとりくむ(2)福島支援連帯、原発ゼロの運動におおいにとりくみ再稼働を許さない(3)医療・介護総合法の実施中止、 社会保障解体阻止の運動を強め、人権が保障される医療・介護をめざす(4)「人権としての医療・介護保障実現へ向けた提言」を力に、の四点を提起しまし た。
 すべての職員、共同組織の仲間が現在の情勢認識を共有し、時代を見る視点をつちかうこと。民医連らしさにこだわった医療、介護の実践、人づくりなど今後 二年間の方針を全職員、共同組織のものとすることが何より大切です。
 さらに、今期大きな飛躍が求められる課題についてもあらためておさえました。(1)民医連運動を担う医師の確保と養成(2)法人、事業所が中長期の事 業・経営計画を検討、作成すること(3)共同組織の今日的な発展方向を探求し、新しい担い手づくりや職員参加の画期とする(4)人間的な発達ができる組織 にふさわしく幹部養成、中間管理職、職員の養成をはかる。
 これらは今後、民医連運動を前進させる上で、喫緊の課題です。四一期の折り返しとなる第二回評議員会までにどのように前進させていくのか、画期となるような時期にしようと呼びかけています。

(民医連新聞 第1577号 2014年8月4日)