私のお仕事 放射線技師
多彩な職種が働く民医連事業所。それぞれが専門性ややりがいを語る連載。14回目は放射線技師です。
和歌山生協病院の放射線技師です。一般撮影、CT、MRIなどの画像検査を担当しています。放射線技師一筋25年の私ですが、今でもまだまだ緊張の連続です。
放射線検査の部屋では患者さんと接する時間は非常に短く、検査時のコミュニケーションには細心の注意が必要です。こちらの思いを確実に伝えられている か、それぞれの患者さんの状況に合わせた言葉を選べているかなど、些細なことで検査の質が変わることがあります。撮影技術と同様に対話技術の向上は欠かせ ません。同じ撮影部位であっても、患者さんごとに適切な撮影を行うことで、被ばく線量をできるだけ低く抑えることも重要な任務です。ひとつとして、同じ検 査はありません。
チーム医療の一員として
また他職種とのコミュニケーションを深めることで、さまざまな情報を得ることができ、患者 ニーズに合わせた検査を行うことが可能だと考えています。私たちの職場は、鉛やステンレスに囲まれた部屋なので、まわりからは見えにくい職種だと思いま す。他職種との距離を縮めるため、積極的にカンファランスに参加するなどしています。
患者さんは医療機関や医師を選べる時代ですが、検査技師までは選べません。与えられた環境の中で、いつ、誰が、どんな検査を行っても最大のパフォーマン スを発揮し、最高の医療画像サービスが提供できる、科学的知識と技術を身につけた職人気質な技師集団の形成をめざします。
原発事故の後
福島第一原発の事故以来、放射能被ばくに対する不安の訴えや質問が増えています。これらに対して、さらなる不安や誤解を与えないよう適切かつていねいに返答していかなくてはなりません。そのためにもさらなる学習やコミュニケーション技術の向上は欠かせないと感じます。
最後になりますが、医療機関で放射線を扱う専門職として、原発再稼働反対、原発廃止を強く訴えていきたいです。(和歌山生協病院放射線科 鶴田太平)
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(民医連新聞 第1575号 2014年7月7日)