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民医連新聞

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関東で水俣病検診 ノーモア・ミナマタ 第二次訴訟にそなえて

 5月11日、関東水俣病検診が東京・代々木病院で実施されました。水俣病不知火患者会が民医連に協力を呼びかけて行ったものです。(田口大喜記者)

 今回の検診は過去に水俣病検診を受けたが「住んでいた場所が水俣病対象地域から若干離れて いる」「魚の摂取量が不十分」などの理由で、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法に非該当と判断され、救済されなかった約二〇人が 受診しました。原因企業のチッソと国に国家賠償などを求める「ノーモア・ミナマタ第二次訴訟」東京原告になるために、裁判で提出する診断書の作成が目的で す。
 午前中は問診を行いました。症状や病歴、移住歴だけでなく、水俣市に住んでいた時期に食べた魚の種類や量、その魚を購入した商店や行商人の名前を聞くな ど、驚くほど詳細な問診です。受診者も当時の写真や日記などを持参し、懸命に答えていました。問診は長い人で三時間に及びました。
 午後からは診察です。民医連の医師一〇人が一人一人に対応。嗅覚、視覚、知覚検査など約三〇項目にもわたり、全ての検査を終えるまで約二時間半かかる長 丁場に。一〇代後半から結婚するまで水俣市に住んでいたという七七歳の女性は、当時から手足のしびれを感じており、こむら返りもあったと訴えました。検診 を終えて、「被害者を放置しようとする政府の態度は納得できません。水俣の魚を食べ、症状が出ている私がなぜ『非該当』にされたのか、それをはっきりさせ たい」と語りました。
 居住地域や年齢などで政府が線引きを行ったことで、救済されていない水俣病患者は全国に大勢残されていると見られています。今年一〇月と一一月に現地の 不知火海沿岸地域で、原告になる予定者を対象にした五五〇人規模の大検診が計画されています。

(民医連新聞 第1574号 2014年6月16日)