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民医連新聞

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「手遅れ死」56件 全日本民医連が会見

 全日本民医連は五月一九日、「二〇一三年国保など経済的事由による手遅れ死亡事例調査」の記者会見を東京で行い、マスコミ六社を含む二六人が参加しました。
 昨年、経済的理由で受診が遅れて亡くなったのは五六人ですが、これは“氷山の一角”。貧困の拡大で六五歳未満の“働き盛り”が半数以上を占め、死因はがんが六四%で最多でした。
 五六人のうち、無保険や資格証明書など正規の保険証を持っていない人が約六割。無料低額診療事業を実施する事業所が増えたため、行政などから無低診を紹介されて受診する事例が増えました。
 全日本民医連の山本淑子事務局次長は「国会で審議中の医療・介護総合法案も患者にいっそうの負担増を押しつけるもの。今回の調査で人のいのちが粗末にされていいのか、社会保障とは何かを問いたい」と訴えました。
 調査を踏まえ、(1)国民健康保険料の引き下げ(2)窓口負担軽減(3)無低診の充実(4)患者が相談できるよう自治体職員の体制確保と、民生委員や医 療機関からの相談窓口の設置(5)生活保護制度の充実の五点を政府に提言しました。
 記者から「全国の傾向を知りたい」と質問された全日本民医連の岸本啓介事務局長は「手遅れ死亡の多くは無保険。厚生労働省は無保険の患者数を把握していない。実態をつかむよう要求していきたい」と話しました。

(民医連新聞 第1573号 2014年6月2日)