だから安保はいらない (3)日本を覆う米軍基地(1) 30都道県に132カ所も
米軍基地は世界各国にありますが、その中でも日本の基地の異常さは際立っています。日本は世界で唯一、米国の原子力空母の母港になっています(横須賀基地)。米国はイギリスやイタリアにも母港の受け入れを打診しましたが、これらの国々は拒否しました。
第二の異常は侵略専門の「海兵隊」前線基地が、米本土以外では世界で唯一置かれていること。海兵隊の三個の遠征軍のうち、米本土に二個、残りは沖縄と岩 国に配備されています。第三は東京をはじめ人口密集地の首都圏に、広大な米軍基地が戦後六九年にわたって居座り続けていることです。
日本には三〇都道県に一三二カ所の米軍基地があります。そのうち米軍専用基地は八三カ所で、他は自衛隊との共用です(表)。総面積は約一〇二七平方キロメートルと東京二三区の一・七倍。さらに基地を結ぶように訓練空域や海域があり、日本は米軍に覆い尽くされています。主な米軍基地を紹介します。
三沢基地(青森)はF16攻撃機四〇機を擁し、アフガニスタンとイラク戦争に出撃しました。F16は低空飛行訓練で墜落事故を起こしました。三沢基地の 北側には「象のオリ」アンテナが置かれ、周辺国の通信を傍受するスパイ基地の機能も備えています。
東京の横田基地には輸送航空団が配備され、C130輸送機がパラシュート降下訓練や物資投下訓練を日常的に行っています。横田基地を中心に首都圏上空に は米軍専用空域(新潟、栃木、群馬、長野、埼玉、東京、山梨、神奈川、静岡の一都八県)が設けられています。皆さんが乗る民間航空機も米軍の許可なくこの 空域に入ることができないため、迂回して飛行しています。
神奈川の横須賀基地は在日米海軍の本拠地で、第七艦隊の出撃基地です。同艦隊の作戦区域は地球の五分の一と広大。原子力空母ジョージ・ワシントンをはじ め一一隻の母港で、アフガン、イラク戦争に出撃しました。神奈川には厚木基地、キャンプ座間、相模原補給廠、横浜ノースドックなど米軍基地が集中し、沖縄 に次ぐ「第二の基地県」と言われています。
岩国基地(山口)は米海兵隊航空基地です。FA18戦闘機をはじめ、垂直離着陸攻撃機、電子戦偵察機、大型ヘリなど約五七機が配備され、連日激しい訓練 を繰り返しています。また、普天間基地に配備されたMV22オスプレイの分遣隊が飛来します。
佐世保基地(長崎)は米本土以外では唯一、強襲揚陸艦部隊の拠点で、四隻の揚陸艦、二隻の掃海艦の母港です。揚陸艦は沖縄と岩国の海兵隊を搭載し、一体 となってアフガンやイラクに出撃する遠征打撃群を構成。一〇〇〇億円以上の日本の税金を投入し、佐世保基地の弾薬庫を近代化する計画も進行中です。次回は 沖縄の米軍基地を紹介します。
(安保破棄中央実行委員会)
(民医連新聞 第1571号 2014年5月5日)