私のお仕事 助産師
多彩な職種が働く民医連事業所。それぞれが専門性ややりがいを語る連載。13回目は助産師です。
青森県弘前(ひろさき)市を含む津軽地区は年間約2000件の分娩件数があり、そのうち、津軽保健生活協同組合健生病院は約300件の分娩に関わっています。
私がこの病院で働くことにしたのは、自然分娩にこだわっていることに魅力を感じたからです。新人助産師としてこの1年間、35人の赤ちゃんをとり上げま した。出産の時は、産婦さんたちが望む出産ができ、家族の立ち会い出産も含めて良い思い出となることを目標に関わっています。しかし、思いのほか難産にな る場合や産後に大量出血になる場合など、大変な出産も多くあります。1つとして同じ出産はないのです。この1年間でドキドキすることもたくさんありました が、さまざまな経験ができました。未熟ながらも、たくさんのお母さん方から「大変だったけど、よいお産ができた」「とり上げてくれてありがとう」などの言 葉を頂きます。そのひと言に新しい命の誕生に立ち会わせてもらったという感謝の気持ちがわき、この仕事のやりがいにもつながっているように思います。
お産だけが助産師の仕事ではない
当院は、BFH「Baby Friendy Hospital:赤ちゃんに優しい病院」に 認定されており、母乳育児を支援しています。もともと母乳育児にとても興味があったため、この1年間母乳育児について学ぶことができ、母乳育児ケアはとて も奥が深いことがわかりました。うまくできないと焦ってしまうお母さん方もいますが、焦らなくてもよいことやできていることはたくさんあるということを伝 えながら、お母さん方が自信を持って育児ができるように根気強く、そして退院後の継続支援にもそれぞれが分担しあいながら関わっています。
今後は、まだ実践していない助産師外来や、産前産後の生活において経済的な問題や家族の問題などにより支援が必要な方の内容をひとつひとつ見極める力を 養い、地域連携につなげていくことに関わるのが自分の課題です。
さまざまな事情を抱えた方が増えていますが、平等に医療を受けることができ、安全・安心な出産や育児ができる病院が必要です。
多職種との連携を心がけ、妊娠期から退院後の生活まで継続した支援ができる助産師を目標に、お母さんや赤ちゃんたちに寄り添っていきたいと思います。(青森・健生病院産婦人科 加藤美紗子)
書き手募集! 保育士や診療情報管理士などを募集しています。メールでmin-shinbun@min-iren.gr.jpに氏名と事業所名を明記し、ご連絡ください。
(民医連新聞 第1571号 2014年5月5日)