憲法なう(8) 天皇(1)
日本国憲法は前文で「主権が国民に存すること」を宣言した上で、一条に天皇の地位が「主権の存する国民の総意に基づく」と定め、日本という国家の権力の源泉がすべて国民に由来すること(=国民主権)を宣言しています。
これほど国民主権を強調しているのは、憲法制定当時、まず何よりも天皇主権を否定する必要があったからです。敗戦までの大日本帝国憲法の下では、天皇が 神聖で絶対的な存在であると定められ、天照大神の詔に由来するという国家権力の全てを持ち、国民は完全に「支配される民」という位置づけでした。
日本国憲法はこれを否定し、かつての「主権者」である天皇は、一切の政治的権力も権威も持たない「象徴」、つまりシンボルである、と定めたのです。
明日の自由を守る若手弁護士の会
(民医連新聞 第1564号 2014年1月20日)
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