真の“地域包括”へ ネットワークの要に 第3回診療所所長交流会
一一月一六、一七の両日、東京都内で第三回全日本民医連診療所所長交流集会が開かれ、医師を中心に九〇人が参加しました。二〇二五年に向けた情勢と民医 連診療所の現状を共有し、地域包括ケアの理解を深め、総合診療医、家庭医養成における診療所の役割を認識することなどが目的です。
全日本民医連の野田浩夫副会長があいさつし「民医連の歴史の中で診療所こそ生命線だ」と強調しました。
佐久総合病院地域医療部の色平哲郎医師が記念講演。「地域包括ケア」の言葉が誕生する六〇年以上前から、地域に出ていくことを大切にしてきた同院のとりくみを紹介しました。
全日本民医連診療所委員会の皆木真一委員長が問題提起。「地域包括ケア」が強調されるなか、民医連の診療所はその先駆けといえる活動を築いてきた、と紹 介し「チーム医療のネットワークを内外に構築し、民医連診療所ならではの在宅医療の展開を」と呼びかけました。参加者はその後、「診療所発展のために乗り 越えなければならない課題は?」のテーマで討論。
二日目は、「日常診療ブラッシュアップ」「在宅医療ミニ交流会」「診療所におけるヘルス・プロモーションを考える」「明日の民医連診療所所長をどう創る か…民医連らしい総合性の実践的検討」の四つのテーマで分科会を行いました。
「在宅医療ミニ交流会」では、群馬・生協みなかみ歯科の坂田龍義医師が在宅歯科医療について講演。在宅患者の大半が歯に問題を抱えつつ我慢していること などに触れ、医科歯科連携のポイントなどを紹介しました。参加者から「医科での投薬が歯科治療に影響するなど、勉強になった」との感想が。民医連外の医療 機関と在宅療養支援診療所の連携をすすめる高知や、デスカンファレンス(栃木)、遺族訪問から見えてきたもの(大阪)について報告がありました。
(民医連新聞 第1561号 2013年12月2日)