私のお仕事 管理栄養士
多彩な職種が働く民医連事業所。それぞれが専門性ややりがいを語る連載。7回目は管理栄養士です。
管理栄養士は、病院や介護福祉施設などで治療の一環として病態に合わせた食事を提供したり、栄養指導などを行う専門職です。
栄養摂取のために“食べられる”工夫をする
私たちのいる病院での管理栄養士の仕事は、給食管理と栄養管理の大きく2つに分かれていま す。給食管理としては、調理・献立作成・食材料の発注・食数管理など。栄養管理は、外来や入院中の患者さんの栄養指導や入院患者さんを栄養面でサポートす るNST(栄養サポートチーム)活動などがあります。
特に当院の栄養指導では、患者さんが理解しやすく実行できるように、電子レンジを活用した調理実習や、他職種と共にバイキング形式の糖尿病教室に力を入れています。
また、地域に出る機会も多く、「高血圧予防の調理実習」や、子育て支援として「手作りおやつ教室」など様々な内容で、共同組織のみなさんとともに健康づくりにとりくんでいます。
他の職種からはよく、「食事の種類はどのくらいあるの?」という質問をうけますが、正確に把握するのは難しいほど多様です。常食や全粥食・糖尿病食と いった食事の種類だけではなく、普通食・軟菜食・一口大・きざみ・きざみあんかけ・ミキサーなど食事の形態も様々だからです。
病院給食ではおいしさをめざすことはもちろんですが、患者さんが食べやすい形態に仕上げなければいけません。NST活動などを通して、たとえ考えられた栄養管理をしても、患者さんに食べていただけなければ意味がないものになってしまうことを実感しています。
調理師さんと力を合わせて
病院の管理栄養士にとって、現場の調理師さんたちの力は欠かせません。
私が入職して間もない頃、あるベテランの調理師さんが発した言葉に、はっとさせられました。それは「患者さんは、このひと口が最後の食事になるかもしれ ない」というものです。病院で食事を提供しているのだということを、あらためて認識させられる出来事で、現在もこの職場での仕事は責任とやりがいがあると 考えています。
2つの専門職の特徴を活かし、高めあいながら、患者さんに喜ばれる食事作りをしていきたいです。(千葉・船橋二和病院 鈴木亜矢)
(民医連新聞 第1557号 2013年10月7日)