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民医連新聞

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和歌山/おおみや診療所 協同のとりくみによる診療所活動を

 おおみや診療所は北に和泉山脈、南に紀州富士と言われる龍門山からの峰々が続き、その間を蛇行する紀の川が悠然と流れ、南からその支流の貴志川が合流する北岸に位置します。和歌山市中心部から東におよそ15キロで、JR和歌山線岩出駅付近にあります。
 岩出市には特筆すべき史跡として、かつて寺領72万石あったとされる根来寺があります。種子島に伝来した鉄砲を本州で初めて製造し、鉄砲隊を組織して戦 国時代には信長や秀吉に抗しました。また、根来寺で使用していた漆器、黒漆の上に朱漆を重ね塗りしている根来塗が海南市黒江や能登半島の輪島に伝わったと されています。さらに、診療圏東端の旧那賀町には世界初の全身麻酔手術で名高い華岡青洲が活躍。最近では貴志川線貴志駅にいる三毛猫のタマ駅長も有名で す。

地域での医療活動にも貢献

 おおみや診療所建設準備会は1996年6月に発足、12月に診療 所建設準備会事務所がJR岩出駅近くの千代マンションに設置されました。その後、保健教室の開催や建設増資運動を展開、組合員や地域の皆さんに支えられ、 1998年2月に和歌山中央医療生活協同組合の4つ目の診療所としてオープンしました。
 当地域において「和歌山生協病院と連携して地域に密着した保健・医療活動にとりくみ、地域の健康とくらしを守る運動に参加して民主的な地域づくりに貢献 する」を目的に活動してきました。2007年8月には通所介護の入浴施設を増設し現在に至っています。また、那賀地域医療ネットワーク、那賀医師会強化型 の在宅支援診療所のネットワークに入ったり、奥村明春所長は那賀医師会の理事を務めるなど、那賀地域での医療活動に貢献しています。

丁寧な保健活動と多彩で内容のある行事

 外来診療では、糖尿病患者を対象に集団学習を定期的に開催、個別 指導を行っています。また、保健活動ではニュースやチラシを配り、自治体検診や予防接種の受診者が増加しています。居宅介護支援では介護相談などを受け、 利用者自身が自分らしさを発揮し、楽しく、安全・安心の介護の実現をするよう努めています。デイサービスでは調理や慰問ボランティアの参加により多彩で内 容のある行事が充実。野外活動も定期的に行っています。2012年からはデイサービスの農園もでき、作業・収穫・もぎたての野菜の料理など、楽しみがふえ ました。また、組合員と協同で元気な高齢者を対象に「おおみやカフェ」を2カ月に1回開催。喫茶を楽しんだ後、デイサービスのスタッフによる体操やゲーム を行い楽しいひとときを過ごしています。
 組合員活動では最近、「脳いきいき班会」や組合員アンケートの要求実現のために外来受診送迎ボランティアが始まっています。また、奥村所長による「ゆる 体操」が好評で、組合員、デイの利用者の方に指導しています。
 今後も組合員と職員による協同のとりくみも含め、診療所活動を進めていきます。
おおみや診療所 事務長 山本 勝巳)

 

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2013年4月号.No.488より