若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年ユニオン専従日記(17) ~ひとりで入って、みんなで闘う~ 文 山田真吾
首都圏青年ユニオンは、「ひとりでも誰でも、どんな働き方でも入れる、若者のための労働組合」とのうたい文句で活動しています。2000年の結成から 12年、現在の組合員数は350人ほどです。加入する人の多くは自身の労働相談からです。労働相談で話される中身のほとんどが、当たり前に守られなければ ならない労働基準法が守られていないというもの。そして労基法が守られていない職場ほど労働組合がありません。「非正規雇用者は加入できない」という労働 組合もまだまだ多くあります。
「職場に労働組合があっても非正規雇用の私は加入できません」という相談がきた時に感じるのは、「その労働組合は、非正規雇用者の味方として、相談者の 目には映っていないのだな」ということです。労働組合が労働者の味方にならないというのは、働く人にとって不幸以外のなにものでもありません。
一方、「以前の職場には労働組合があったけど、次の職場にはなかった」というケースもあります。日本の労働組合の多くは「企業内労働組合」と呼ばれ、一 つの企業体・事業所ごとに労働者を組織します。新卒採用で定年までその企業体・事業所で働くことが前提だった時代ならまだしも(女性は出産・育児で職場を 離れることがあり、男性目線ですが)、今は1700万人が非正規雇用で働く状況です(2012年1月現在)。職を転々とすることは珍しいことではなく、ど こで働いても労働条件が悪く、労働組合もないということもあります。
首都圏青年ユニオンは企業内労働組合ではなく、個人加盟型労働組合です。どこで働いていても、どんな働き方でも加入することができます。企業別労働組合 も個人加盟労働組合もどちらもメリット・デメリットはあります。正規雇用者、非正規雇用者、それぞれの労働者が置かれている実態に合わせて労働組合の形式 を柔軟に作り、誰もが安心して働ける世の中を考えていく必要があります。
(民医連新聞 第1537号 2012年12月3日)