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民医連新聞

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「民意」伝える議員を選ぼう 衆院選、都知事選 藤末衛会長(全日本民医連)に聞く

 衆議院議員選挙(総選挙)が一二月一六日投票(一二月四日公示)で行われます。また同日、東京では知事選も。これらの選挙にのぞむ全日本民医連の姿勢は? 藤末衛会長に聞きました。

■民意とねじれた国会

 八月に開いた民医連の第一回評議員会では「民意と国会の異常なねじれ」を、いまの日本の情 勢をみる際のキーワードにしました。 消費税の大増税をはじめとする税と社会保障の一体改革、すすまぬ被災地復興、原発の再稼働や世界一危険といわれるオ スプレイの配備強行、TPP交渉参加など、日本の進路を決める重大な問題が山積しています。
 脱原発を訴えた毎週金曜日の官邸前抗議行動をはじめ、各地でデモなどのアクションが活発です。もし民意が反映される国会であれば、ここまで大きな運動は起きていなかったでしょう。
 このねじれを正常に戻すのが、今回の総選挙です。多くの個人が政治的な問題で自分の意見を訴え、直接行動に出た時期は、日本の近現代史を遡ってもそう多 くありません。「民意を無視したのは誰なのか、どの党なのか。しっかり峻別して、民意が実現する国会をつくることが今回の総選挙だ」と、全日本民医連理事 会は全国の民医連の仲間に呼びかけました。

■都知事選の特別の意味

 とくに総選挙より先に始まっている東京都知事選挙は、単なるひとつの自治体の選挙ではあり ません。憲法を守ること、脱原発、医療福祉の充実に教育…。争点も東京だけの問題にはとどまりません(左項)。首都である東京で政治の流れが変われば、日 本全国にも大きく影響します。
 たとえば、脱原発の流れをつくること。福島第一原発事故の直後にあった二〇一一年の東京電力の株主総会で、四〇二人の株主有志が脱原発を求める議案を提 出しました。当時同社の会長だった勝俣恒久氏は、議事に入る前に「大株主から委任状をいただいていて、その議決権はいま会場に出席している株主の議決権の 過半数を大きく上回っている。大株主の意向は脱原発ではない」と言い放ちました。その大株主の一つが東京都です。都知事が原発の即時廃止を掲げる人に変わ れば、原発をめぐる状況も大きく変えることができるではありませんか。
 ですから民医連も全国あげて、東京民医連とともに、脱原発、憲法堅持を明確にした候補者を応援しています。

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■モノサシは「国民の願い」

 総選挙は、政党を選ぶ選挙です。日本の進路を左右する課題で、各党の動向をしっかり見る必要があります。
 与党民主党は、三年前に掲げたマニフェストをことごとく放棄しました。有権者に一度は「ノー」と言われた自民党時代の政策に戻ったともいえるし、財界・ アメリカべったりの人たちで純化されたともいえる。自民党も、民主党との違いを見つけるのに苦労しているほどですね。選挙区によっては自民、民主、維新の うち、今回はどの看板にしようかと迷っている議員もいます。違いを強調したい自民党は、集団的自衛権や自衛隊の国防軍化まで言い出しました。
 なお「第三極」と呼ばれる政治勢力は、自民党がダメで政権交代し、今度は民主党もダメ、という流れの中でマスコミがもてはやし、注目されています。彼ら をどうみればいいかは、「国民の願い」というモノサシをつかえばクリアになります。政策では自民党や民主党に負けぬほど、国民の願いとは離れていて、原発 の問題さえ「些細なこと」と流してしまう。まるでサギ集団のような存在だと私には思えます。
 それにしても、政治勢力の離合集散や新党結成がめまぐるしく、これまでの法案に対する態度を見ただけではなかなか判断が難しいかもしれません。これには 脱原発やTPP参加反対、消費税増税反対などで運動する人たちが「自分たちの要求に一致する政党はどこか」を調べ、WEBなどで公表する動きも活発ですか ら、参考にできます(左欄参照)。

■若い仲間はぜひ

 いまの民医連の仲間の多くは、国会で自分の要求がかなった経験がない、若い世代だと思いま す。この総選挙では一人一人が「自分が国政に願うことは何なのか」を、確かめていく作業をしてほしいと思います。また、運動の中心を担う皆さんは「自分の コトだよね」と、仲間が言えるようなとりくみを工夫してすすめましょう。

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(民医連新聞 第1537号 2012年12月3日)