第11回看護介護活動研究交流集会in徳島 “生きる”をささえる実践を交流
第 一一回全日本民医連看護介護活動研究交流集会が九月三〇日~一〇月一日に徳島県で行われ、看護師、介護福祉士ら全県から九六五人が参加しました。テーマは 「紡ぎつなげよう未来へ!一人ひとりに寄り添い、人間らしく“生きる”を支える私たちの実践」。分科会では四二七演題の発表があり、前回の石川集会から二 年間の豊かな実践を報告しました。東日本大震災後初の看介研のため、震災支援や災害対策の報告も目立ちました。
看介研運営委員長の星野陽子理事、全日本民医連の長瀬文雄事務局長、徳島民医連の今井正雄 会長があいさつ。星野さんは「看護、介護の専門性とは、看護師特定能力認証制度に見られるような医療行為の拡大ではありません。療養生活を整え、患者・利 用者の思いに寄り添い、生きる力を引き出すケアのことで、今回の発表演題にも生き生きと描かれています。看護、介護本来の専門性とその輝き、ケアの価値に ついて熱い議論を交わし、確信にしましょう」と呼びかけました。
福島民医連看護委員会から「福島にも実りの秋がやってきました。私たちはこの福島でがんばっています」とのビデオメッセージが上映されました。
記念講演は大阪健康福祉短期大学の秋葉英則学長。(1)生活(2)幸せ(3)権利の三つをキーワードに、看護・介護職の魅力を存分に語りました。
全体会の指定演題は四つ。岩手・在宅総合センターひだまりの鈴木幸子さん(センター長)が、仮設住宅でとりくんだ「はつらつお茶っ子会」について報告。 宮城・坂総合病院の若澤優子さん(助産師)が、震災直後の褥婦への電話訪問を、京都・総合ケアステーションわかばの村田智香さん(看護師)が、訪問看護ス テーション利用者の栄養状態について発表しました。また、福岡佐賀・みさき病院の大庭麻理さん(看護師)が、認知症患者の「離院マニュアル」づくりを紹介 しました。
二日間にわたって行われた分科会は、人権を守る、看護と介護の連携、後継者育成と職場づくり、質の向上、患者・利用者に寄り添うなど一一テーマに分か れ、口演二二七演題、ポスターセッション二〇〇演題の計四二七演題を発表。また、討論を深めるため内外の講師による四つの教育講演もありました。
ナイトセッションでは太鼓の会「こだぬき」の演奏に続き、阿波踊りコンテスト九連覇の徳島文理大学連がすばらしい演舞を披露。同連の手ほどきで参加者も共に踊りました。
参加者の声●賀川義昭さん(介護福祉士、茨城・デイサービスセンターさかど)入職14年目で初参加。看護の報告が多いが、介護にも参考になるケアの技術があり、実践に活かしたいです。 ●酒井あかりさん・中野由美子さん(看 護師、愛媛生協病院)秋葉先生の講演で手塚治虫さんのエピソードに驚いた。私たちも医療のプロ。「もう一度会いたくなる」医療者をめざしたい。分科会で は、食がすすまない患者さんに海苔の佃煮でご飯に絵を描くと喜んで食べるようになった報告など、ヒントがたくさんありました。 ●御手洗俊彦さん(介護福祉士、大分・グループホーム六本松二番館)ポスターセッションで、身近な道具を使って拘縮のある人の症状を緩和するグッズを作った報告が、参考になりました。介護の仕事は正解がなく苦労も多いですが、その分やりがいもあります。 ●看護師(大 阪)この研究集会に参加するのは2度目。最近緩和ケアの担当になったので、終末期や看取りに関する報告を抄録からチェックして口演やポスターセッションを 回りました。終末期は苦痛緩和だけでなく、栄養から倫理まであらゆることが関連している、と皆さんの発表から気づくことができました。 |
(民医連新聞 第1534号 2012年10月15日)