“被災者の医療・介護費減免打ち切らないで” 厚労省に要請
東日本大震災の被災者に行われてきた医療や介護の自己負担および保険料の減免措置を、政府は九月末で終了すると発表しています。八月二八日、岩手、宮城、福島の被災三県の社保協など関係団体が上京し、措置の継続を求めて厚生労働省交渉を行いました。
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この日の行動には、中央社保協や東北の被災三県に加え、死者二〇人全壊家屋七〇〇軒の被害が出た千葉県からも参加がありました。厚生労働省からは、保険局国保課と老健局介護保険課の担当者が出席。
被災地からは、生活再建の見通しもたたない被災者には減免措置が命綱であること、そのうえ被災により医療や介護の必要度は被災前より高まっている実態があるとして継続を要望。
岩手県保険医協会は、治療中の被災者からアンケートをとりました。医療費免除が打ち切られた場合、二割超が「受診回数を減らす」と回答し、うち七割が経 済問題が理由だと紹介。宮城野の里(宮城)の小野ともみ施設長は、介護施設での食費・住居費減免が今年二月で終了したため、すでに在宅の被災高齢者の施設 利用が困難になっていると報告しました。
また福島からは、若い人が県外に出る中、厳しい環境の仮設住宅で暮らす人の多くが家族と離れた高齢者で、発表される震災関連死や孤独死の数は「氷山の一角だ」と発言しました。
一方、厚労省側は「一〇月以降、既存の制度に戻す。救済の必要な人はその中で支援を受けてほしい」と説明するにとどまりました。参加者は交渉後、国会議員への要請行動を行いました。
(民医連新聞 第1532号 2012年9月17日)
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