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民医連新聞

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若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年ユニオン専従日記(10) ~先天性心疾患の息子と私たち~ 文 山田真吾

 今回は、先月1歳になった息子について。
 息子は単心室と呼ばれる先天性心疾患児。妊娠6カ月のエコー検査で単心室と診断されました。当初は妻の実家に近い民医連の病院での出産を考えていました が、予定が一変。「男の子かな?女の子かな?」なんて考えるより、その後がとても気がかりになりました。折しもこの診断の翌週に東日本大震災があり、日本 のこと、原発のこと、子どものこと、ますます先が見えない状態になってしまったと思いました。
 いくつかの病院を経て、都内の大学病院が受け入れてくれました。その過程で、ドクターから「単心室の子を持つ親で共働き家庭は聞いたことがない。これか らは子どもの心臓手術や定期的な通院があるから、何かあった時のために人手が多いほうが良い。通院しやすい場所への引っ越しも考えなさい」と言われ、お互 いの実家がある千葉県に戻って来ました。
 7月17日、私も立ち会い、自然分娩で息子は生まれてきました。生まれてすぐ、そのまま新生児集中治療室(NICU)へ。「手術をするまでは集中治療室 に入る」と聞いてはいたけれど、我が子はそばにいない。妻も「4人部屋では、我が子のそばに寝る他の母親の姿を見るのが辛い」と言い、病室を換えてもらい ました。
 NICUにいる息子は様々な機器に囲まれ、そこから伸びるチューブが身体につながっていましたが、私たちの悩みなどどこ吹く風とすやすやと寝ています。 おっかなびっくり触ってみるとあたたかく、生命がつながっていると感じました。それは誰かの手助けがあってこそ。
 ちょうど1年ほど前の8月8日、1回目の心臓手術は無事終わりました。始まったばかりの息子と私たちの生活。初めての子が先天性心疾患。不安がすぐ解決 するのは難しいけれど、「お父さん、お母さん、何か困ったことがあればいつでも相談してね」という生命をつなぐ人たちのあたたかさを感じました。

(民医連新聞 第1530号 2012年8月20日)