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民医連新聞

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若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年」ユニオン専従日記(3) ~違法の3点セット~ 文 山田真吾

 私たちが受ける労働相談で特に多いものを「違法の3点セット」と呼んでいます。3点とは、「時間外割増賃金(残業代)・深夜割増賃金の未払い」、「社会 保険・雇用保険の未加入」、「有給休暇の未取得」。逆に3点をすべて守っている職場を探すほうが難しいのではないかと思っています。ユニオンでは、そのひ とつである「残業代未払い」を、これまで何十件も解決してきました。
 残業代を取り戻すためには団体交渉(団交)が必要ですが、ユニオンの団交はちょっと変わっています。連載タイトルの通り「ひとりで入れるけどヒトリにな らない」を心がけていること。労働相談から雇用主への団交申し入れまでは一人ですが、実際の団交当日には多くの組合員が集まります。
 例えば「5月某日に残業代未払いの案件で団体交渉があります。集合場所は午後6時に渋谷・ハチ公前」とユニオンのメーリングリストに流すと、時間がある組合員が団交に参加する、という具合。
 ハチ公前にいる若者たちの多くは「飲み」や「カラオケ」が目的で集まっていますが、ユニオンの場合は「これから団交に行こう!」というのです。集まった ら、路上でみんなに要求書を回して作戦会議(写真)。コーヒーショップやマックはお金がかかるのでダメ。数百円の出費が難しい組合員もいます。お金がなく ても当事者を支援できるよう、参加者には往復3000円までの交通費をユニオンから支給しています。
 ある組合員は団交後、「参加してくれたみんなの存在が本当に心のささえになるんだなぁと改めて実感できました。横を向いたら味方してくれる人がいる、と いうのはいいものですね」と感想を話していました。働くものの権利を取り戻そうとする時、誰かがささえてくれると心強いものです。
 ユニオンは声を上げた1人をみんなで支援しています。

(民医連新聞 第1523号 2012年5月7日)