副作用モニター情報〈371〉 リリカ(R)カプセルの副作用 第2報
プレガバリン製剤「リリカカプセル」の副作用報告です。第1報を2011年6月20日号本紙に掲載しており、今回はその第2報です。同剤の適応症 が「帯状疱疹後神経痛」から「末梢性神経障害性疼痛」に拡大され、使用量が大きく伸びたこともあり、この1年間で57例80件の副作用報告が寄せられてい ます。経過が判明している52例について分析しました。
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帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害以外の疾患での処方が60%を占めており、報告年齢分布では70代以上が60%を占めています。
症状は、第1報でも指摘した「めまい」と「ふらつき」が計31件と多く、眠気9件、浮腫と続き、胃腸障害、吐き気など消化器系の副作用が6件ありまし た。副作用発現時期は初回服用時の発現が約30%、2日目までが54%、1週間以内が75%を占めており、投与初期に注意が必要といえます。
「浮動性めまい」については、食事の影響を検討した国内外の臨床試験で、空腹時服用で発現率が高く、発現までの時間も短くなる傾向が認められています。これは、Cmax(最高血中濃度)が高くなる影響と思われ、服薬説明時に注意が必要かもしれません。
リリカの添付文書上の初期用量は1回75mgですが、初回服用で副作用が発現した16例のうち13例が75mgでの開始でした。副作用症状の多くは服薬 中止で改善していますが、歩行困難で緊急入院になった例や、薬剤師の疑義照会にもかかわらず1回150mgで開始し、初回服用でふらつきがあり、減薬した が転倒に至った80代男性の例もありました。初期用量については75mgでも安全と言えず、特に高齢者については第1報でも提起されたように、腎機能も考 慮して1回25mgから開始すべきではないでしょうか。
(民医連新聞 第1523号 2012年5月7日)
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