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民医連新聞

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若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年ユニオン専従日記(2) ~専従になる!~ 文 山田真吾

 自分から飛び込んだ写真の世界は、タイムカードも給与明細もなく、あるのはカメラマンからの暴力…。退職を伝えた私にカメラマンから届いたのは、「損害賠償請求」でした。
 少し前、友人に誘われて参加した「全国青年大集会2005」(05年11月)。外食産業の会社で声をあげ、団体交渉をした首都圏青年ユニオン組合員の発 言を聞きました。同世代の若者が労働組合に入り、交渉して解決する! 「こんな道があったのか」「仕事で困ったら労働組合に相談すればいいのか」と驚きま した。
 なりたくて選んだ写真業界なのに、たった6カ月で音を上げるなんておかしいのではないか。ましてや右も左もわからない自分を使ってくれた人に対して交渉 を申し入れるなんて…。働いていた期間はなんだったのか。考えると悔しく、辛かった。首都圏青年ユニオンに労働相談をした時は、いろいろな言葉が頭をよぎ り、泣きながら話していました。けれども、ユニオンは受け止めてくれました。そして、モヤモヤすることはあったけれど、カメラマンに団体交渉を申し入れる ことになりました。
 やりとりの末、団体交渉はせず、「損害賠償請求を撤回する」との書面を交わし、問題は解決しました。実感したのが「労働組合ってすごい!」ということ。 組合メーリングリストに「団体交渉をします!」と流すと、「がんばって」「団交が決まったら有休取って駆けつけるよ」と連絡があり、ユニオンの一員だとい う力強さと組合員のあたたかさを感じました。
 その後、「ユニオンの専従をしてみないか?」と誘われました。「労働組合に入って自分の問題が解決できたのだから、今度は誰かの問題を解決する側に回り たい」。誰しも、働いている時には大なり小なり困ったことが出てきます。「溺れる者は藁をも掴む」ではないですが、とにかく誰かに助けてもらいたい時があ ります。
 実は藁ではなかった場所で生き方が変わり、助けられた。この経験を誰かにつなげ、太い人間のつながりを作っていく。そんな思いを胸に専従をしています。(つづく)

(民医連新聞 第1522号 2012年4月16日)