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民医連新聞

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かあさんの「ほのか」な幸せ~眠りっこ子育てetc.~ (16)チームを動かす【ハッピー】の力 文:西村理佐

 先日、帆花のチームのメンバーが集まってカンファレンスが開かれた。病院・在宅それぞれの主治医、訪問看護師、作業療法士、ヘルパー、自治体の保健師、 役所ケースワーカー、そして今回初めて障害者支援センターのワーカーも加わり、総勢14人。一昨年に転居してからは初めての開催となった。
 議題は、それぞれの役割分担の確認、経過報告、在宅生活と通所・入院生活の連続性についてと、排痰の実演などだった。もちろん帆花も椅子に座って参加し、時折「うーん!」と大きな声で発言していた。
 帆花がおうちで安心して楽しく暮らすためには、「ケア」と「キュア」という異なるアプローチが必要で、抱える問題も、「医療」「福祉」「療育」と、多分 野にわたる。それぞれに関わる課題などが話し合われたわけだが、不思議と、それらがバラバラの問題で結局どうやって解決していくの? と、家族が混乱に陥 ることはなくなっていた。その大きな前進のわけは、在宅医T先生の一言に凝縮されていると思った。「僕たちは、ほのちゃんとお父さんお母さんの【ハッ ピー】のお手伝いをしているんだよ」と。それを聞いた病院主治医のA先生も、「いつもみんなで同じ方向を見ていたい」とおっしゃった。
 【ハッピー】を求める心は、植物が光を求めるように自然で、もっとも根源的な欲求だ。そしてすべての原動力であり、「生命力」と言い換えられるかもしれ ない。ひとつの【ハッピー】は笑顔を生み、たくさんの【ハッピー】へ繋がっていく。それは、人との「出会い」であり、「生きる」ということかもしれない。 「生きにくい」と感じるときには、このもっともシンプルで大切な視点に立ち返りたいものだ。
 かく言うかあさんも、「ほのちゃんの一番の【ハッピー】は、お父さんお母さんが、仲良くしていることだよ!」とT先生に言われて、「おお、なんと【ハッピー】の難しさよ!」と人知れず叫んだのだが……。

(民医連新聞 第1517号 2012年2月6日)