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民医連新聞

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重度障害の子の在宅生活 改善求めてたちあがる 菊水こども診 北海道

 「重度の障害を持って在宅で過ごす子たちに、もっと支援制度を」―行動を起こした職員たちがいます。北海道勤医協・菊水こども診療所(札幌市)です。二 〇一〇年四月に「重度心身障がい児者の在宅支援に取り組む会」を、地域の障がい者団体や、ケアに従事する人たちと立ちあげました。
 きっかけは、同診の花香(はなか)真宣医師の息子・生真くんが、出生時の低酸素脳症で二四時間ケアが必要になったことでした。医療・福祉制度の支援が薄 く、家族の負担が身体的にも経済的にも重いことを知りました。「重症児と接点があるのは、外来ぐらいでしたから、たいへんさを知り驚きました」と、師長の 田中純さん。
 診療所に通院する重症児の家庭を訪問したり、養護学校に協力を呼びかけ、実態を収集しました。中には制度の情報がなく、NICUを出てから何の支援も受 けずに小学校入学の歳になっていた、というケースも。会として札幌市と国あてに「重症身心障がい児・者の在宅生活の改善を求める」署名を開始。項目を絞り 込み、(1)訪問看護、(2)相談体制、(3)療育(保育、リハ、教育、日中活動)、(4)移動の保障と移動支援事業、(5)短期入所施設、の五点の充実 を求める内容。それぞれ一万筆超を提出しました。
 一〇月は厚労省や国会議員要請へ、一一月二二日には札幌市議会で会代表の辰巳研一医師と花香医師が署名の趣旨説明を行いました。生真くんの母、いずみさ んは「誰かが発信しないとだめですが、親には発信の場もその余裕もないのが実情。会の運動はありがたい」と話しています。(木下直子記者)

(民医連新聞 第1515号 2012年1月2日)