学んだ加害の事実 青年職員35人が韓国平和研修
一一月一〇~一三日、全日本民医連・第三期平和学校の第二クールとして、韓国平和研修を開催。全国の青年職員三五人が、日本の加害の事実や韓国の抗日独立運動、朝鮮半島分断の歴史などを学びました。
平和学校は民医連の平和運動の担い手を育てるのが目的。今回一番時間を割いたのがナヌムの 家の訪問です。旧日本軍の「慰安婦」にされたハルモニ(おばあさんの意)が共同で生活しているところです。歴史館で従軍慰安婦制度創設のいきさつから慰安 婦の集め方、慰安所の運営、日本大使館前で行っている毎週水曜の抗議集会について学びました。
最後にハルモニと面会。学んだ事実が重くのしかかり「どうやって顔を合わせたらいいだろう?」と悩む人も。しかし彼女たちは笑顔で現れ、日本の演歌を披露してくれるなど、温かいひとときを過ごしました。
二日目は戦争記念館を訪問。戦争を賛美する日本の遊就館とよく似たところです。ベトナム戦争の展示では、ガイドのファン・チャヘさんが「韓国の加害の事 実を隠し、偉大な戦争だったと教えている。戦争を行う人たちは都合のいいように事実をねじ曲げて伝える」と指摘しました。
三日目はソウルへの玄関口「江華島」へ。日本が朝鮮支配のために起こした江華島事件(一八七五年)の舞台です。地元の高校教師チェ・ボギル先生の案内で 回りました。日本の高校とも交流があるチェ先生は、「国民(国家)の目線ではなく、一人の市民の目線で考えることが大切。日本の憲法九条を世界文化遺産に したい」と語りました。
タイトな日程の中、国家は不都合な事実を隠すこと、教育やマスコミにだまされないこと、戦争を防ぐために軍拡の道か平和的外交の道か二つの選択肢がある ことを学び、平和な世界をつくるうえで多くの示唆を得られました。また受講生同士の絆も深まり、今後の大きな財産となりました。 (佐久功・国民運動部)
(民医連新聞 第1514号 2011年12月19日)