薬害イレッサ(東日本訴訟)で不当判決 民医連会長が抗議声明
一一月一五日、薬害イレッサ東日本訴訟の控訴審で、東京高裁は、国と製薬企業・アストラゼネカ社の責任を否定する不当判決を出しました。翌一六日、全日本民医連は藤末衛会長の声明を発表し、抗議を表明しました。
同訴訟は、肺がん治療薬イレッサの副作用(間質性肺炎)で死亡した患者三人の遺族が、輸入販売元のア社と国に計七七〇〇万円の損害賠償を求めたもの。一 審判決では、国と同社の賠償責任を認定しましたが、高裁はそれを取り消し、請求を棄却しました。
声明は「高裁判決が、承認前に集まった副作用報告を、当該薬剤との因果関係の『可能性』がなければ国や企業に安全対策をとる義務なし、という特異な考え 方に基づいたもの」と指摘。「薬害スモン以来、たび重なる薬害の教訓から薬事法を改正し、国や製薬企業が行ってきた薬害根絶の努力も否定する、許されない 判決」と批判しました。
そして全日本民医連が、ひき続き薬害被害者に寄り添い、薬害イレッサ事件の全面解決まで奮闘することを表明し、同時に国とア社が被害者救済の立場で、即刻、和解の場につくよう求めています。
(民医連新聞 第1513号 2011年12月5日)
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