第3回評議員会ひらく(8月20~21日) すべての“人”が尊重される社会めざす 被災地支援、情勢、次期総会にむけた課題共有
第三九期第三回評議員会が八月二〇~二一日に東京で行われ、評議員会方針、第四〇期全日本民医連理事会選考基本方針、二〇一一年度上半期決算が承認されました。
今回の評議員会は(1)震災支援のまとめ(2)情勢の見方の一致(3)次期総会までの課題設定、の三つの目的で行われました。討論では近年最多の五三人の評議員、理事が発言しました(発言の要旨は4・5面に)。
オブザーバーの特別報告が二本ありました。宮城・坂総合病院の佐々木隆徳医師が、東日本大震災の急性期医療について。全国医師ユニオンの植山直人代表 が、一一月二〇日に一〇〇〇人の医師参加でとりくもうとしているドクターズ・デモンストレーションと一連の運動について発言し、「復興のためにも、医療崩 壊ストップ。大きな運動を作りましょう」と呼びかけました。
二〇日の討論後に行われた学習会では都留文科大の後藤道夫教授が「新たな福祉国家に向けて」と題して講演しました。
討論を受け藤末衛会長は「震災支援の各チームの経験を交流し、次の災害に備えたい。被災地では早く正確にニーズをつかむことが大切。評議員会方針に災害医療の研修を補強したい」と話しました。
長瀬文雄事務局長は今回の評議員会を、寄り添う、連携、オール民医連、自ら学び育つ、たたかうの五つのキーワードで表現。(1)被災者、患者、利用者、 地域住民に寄り添う(2)地域住民や他の医療機関、行政との連携が大きく広がっている(3)震災支援、脱原発、医師確保のとりくみがオール民医連ですすん でいる(4)新しい日本をつくるために自ら学び育つ(5)人権侵害は断じて許さずにたたかう、と説明しました。
発言にあった山梨、神奈川の外国人支援のとりくみにふれ、「綱領の一文に『すべての“人”が等しく尊重される社会をめざします』とあります。綱領改定の 議論では、国民ではなく人にこだわりました。日本で暮らす人、さらに全世界の市民と連帯を」と強調。
被災地や患者に自己責任を求める動きが強まっていることに対し「声を挙げてたたかわないと、情勢は変わらない。私たち自身が大きな運動を起こしましょう」と訴えました。
(民医連新聞 第1507号 2011年9月5日)