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民医連新聞

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かあさんの「ほのか」な幸せ~眠りっこ子育てetc.~ (3)「これから」のために、「在宅患者」である努力 文:西村理佐

東日本大震災が発生した日、わが家のあるマンションはエレベーターが停止し、電話は不通になった。今後起こりうる最悪のことを考えた時、どうしたら帆花 の安全を守れるか、未曾有の事態にあって私一人では判断がつかず、たまたま安否確認の電話をくれた区役所支援課の人に、かわりにかかりつけ病院に相談して もらった。私も少々取り乱していたため、「可能なら避難させてほしい」という言い方をしてしまった。たとえ人工呼吸器が付いていようとも、健康な状態の帆 花の受け入れを要請するのは、当然無理な話であった。
 だが結局、かかりつけ病院の主治医から直接連絡があったのは、計画停電が既に実施され始めて2日目の朝。帆花が人工呼吸器の外部バッテリーを所持してい るのかどうか、そのバッテリーが何時間使用可能なのか、そのほかの医療機器の備えはどうなのか、実際にどのようにバッテリーへの付け替え作業をするのかな どを、正確に把握しているのは私たち家族と、それぞれの機械メーカーだけであることがはっきりした。
 「在宅患者」とは何なのか。病院や在宅医療チームなどの連携によって、きちんと管理されている患者である、と勝手に解釈していた。しかし、今回のことで 特に帆花のような小児の重症在宅患者は、管理するシステムそのものも確立されていなければ、在宅チーム(往診医・訪問看護ステーション・ヘルパー事業所な ど)にどのような支援を依頼できているか、いないのかはケースバイケースであるということ、あるいは、行政の対応にも地域差があることが改めて浮き彫りに なった。
 大切なのは「これから」。帆花が「在宅患者」であるためには、待っているだけではダメだ。いま一度「生活」を見直して、こちらから医療者や行政担当者 に、そのありのままを伝えていく努力がより一層必要だと痛感している。

(民医連新聞 第1503号 2011年7月4日)

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