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民医連新聞

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全国公害被害者総決起集会 東日本大震災・福島原発事故被害者と連帯して 公害もフクシマも命や安全より“もうけ”が優先された

なくせ公害、守ろう地球環境

 六月一日、全国公害被害者総決起集会が日比谷公会堂で開かれました。集会は 「なくせ公害、守ろう地球環境」を掲げて毎年とりくまれている全国公害被害者総行動の一環。三六回目になる今年は、全国の被害者・家族、弁護団や支援者、 一四二団体、一○五○人が参加。「東日本大震災・福島原発事故被害者と連帯して」をサブスローガンに、宮城県漁協や福島県農民連もかけつけました。集会前 には各省交渉を行い、翌日にかけて水俣病の原因企業のチッソや、東京電力など加害企業への交渉も行いました。
 大気汚染・アスベスト・薬害イレッサなど八団体が被害実態と運動の成果・課題を報告しました。この一年で大きく動いたのは水俣病でのたたかいです。

ミナマタは終わらない

 ノーモア・ミナマタ国賠訴訟原告団の大石利生さんが、水俣病特措法にもとづき 原告の九割にあたる被害者救済が改善し、裁判が和解成立したことを報告。「一人、二一○万円の一時金支給を勝ち取った。お金だけの問題ではないが、たた かってきた証を出せた」と語り、「残された全ての水俣病被害者の救済にがんばる」と決意しました。
 また弁護団は、「全国の医師たちの協力で『共通診断書』を作成し、多くの患者の水俣病被害を診断・立証できた」と報告。支援に感謝の意も表しました。
 今後の課題として挙がったのは、一つ目には住民の健康調査が未了であり、被害実態の解明が残されている点。新潟では、新潟水俣病住民検診実行委員会が主 催し、六月二五日に今年二回目の健康調査を行う予定です。すでに一回目で一五人が検診を行いました。新潟勤医協・沼垂診療所でも検診を実施しています。
 二つ目は、チッソ分社化での責任逃れを許さず、企業に徹底賠償させること。弁護団は「被害補償の足切りを出させない。いま東電の原発被害の補償範囲が焦 点だが、水俣病で企業の責任逃れの前例を作らせたくない」と強調しました。

公害被害と原発事故

 基調報告は、中山裕二・実行委員会事務局長が行いました。「多額な政治献金を する電力・鉄鋼・自動車の業界が、同時に公害を引き起こした御三家。もうけのために人の命も安全も地域ですら平気で切り捨ててきた。原発事故も同じしくみ で起こっている」と、政官財の癒着構造を批判。
 ほかに、カネミ油症事件原告団が、「カネミ油は放射能と似ている。食品に混入していても味も臭いも変わらず、ただちに健康被害のない慢性の病気の恐ろし さがある。正確な情報が隠されて被害が広がった事態も原発とカネミ油は酷似している」と語り「被災地でも私たちの活動を知って、少しでも励みにしてほし い」と連帯の言葉を表明しました。(安丸雄介記者)

(民医連新聞 第1502号 2011年6月20日)

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