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民医連新聞

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統一地方選 “わたし立候補します” 「目線」は共通してる リハの仕事と社会変える仕事

 政権交代「劇」から1年半、民主党は国民を裏切り、生活も医療も介護・福祉もよくなるどころか悪い方向にすすんでいます。「こん な政治は変えたい」と来月の統一地方選挙に立候補を決意した民医連の職員が各地に。「人生をかけて、地域住民のためにたたかう」。東京・中野共立病院の作 業療法士・浦野智美(さとみ)さん(30)もその1人。中野区議に立つ思いは…。(村田洋一記者)

 「陰ながら応援します」「いえいえ、陰といわず表でもお願いします」「事務所開きには必ず行きますよ」…、Aさん夫婦と浦野さんの会話が聞こえてきました。
 Aさんは昨年、脳血管障害で倒れて、右上下肢が麻痺し、障害が残って歩くのも大変でした。数カ月にわたるリハビリテーションで障害は残るものの外出や日 常生活上では大きな支障はないほどに回復しました。浦野さんは「よく努力しましたね。奥さんもよくささえて。このまま、自主トレを続けていけば大丈夫」と 励まし、外来リハビリは終了しました。Aさん夫妻にはすでに「今度区議選に立候補する」と伝えていました。この日も、「がんばって。応援する」と言ってく れました。Aさん夫妻はリハビリを続ける中、やさしく、ときに厳しく励まし続けてくれた浦野さんに信頼を寄せています。

「人の役に立ちたい」

 浦野さんが医療技術者をめざしたのは中学・高校時代に病気で四年間病院に通った経 験から。「病気で苦しむ人の役に立ちたい」と考えたからです。作業療法士の学校を卒業してすぐに中野共立病院に就職。八年のキャリアを積み、室長を補佐す る主任として若いスタッフの相談役。入職したころは一〇人だったリハスタッフが、いまではデイケアや訪問リハも含め、三三人に増えています。
 労働組合の執行委員もつとめ、職場や青年職員の気持ちをくんでの奮闘、社保活動では宣伝や署名活動の先頭に立った浦野さん。地域でも活動する姿が目だっていました。
 そんな浦野さんに昨年、共産党から候補者にならないかとの話が。浦野さんには「自分にはそんな大役は無理だ」という思いと、職場の大変な状況があり、そ の時は受けられませんでした。三人の育休者がいる上に欠員があり、スタッフも若い、とても職場の仲間や患者さんから離れることはできないと思いました。
 その思いを変えたのは就職時からお世話になった先輩職員の小林康雄さんの言葉でした。「職場でがんばるのもわかる。しかし、もっと広い視野で社会全体を 見て、患者さんのためだけでなく、中野で住んでいる人たちのためにがんばってみたら」と。

思いが大切にされない現実

 浦野さんは言います。「もともと、リハビリテーションは患者さんの運動機能の回復 や日常生活動作の改善を図り、生活の質(QOL)の向上をめざします。病気、障害があっても住み慣れたまちで、自分らしく暮らしたいという思いを大切にし ていく仕事です。でも、いまの社会はこの思いが実現できないどころか、リハビリ期間が制限されるなど逆行しています。障害をもった人や高齢者が安心して暮 らしていける社会をめざす活動はしたい。民医連運動やリハビリの仕事と、弱い立場の人の目線で社会を良くする共産党の議員活動は共通している、と考えたら 決心がつきました」と。

仲間が応援のメーリングリスト

 そして「自分の言葉で立候補の決意を語ったときの職場のみんなの驚いた顔が忘れら れない」とも。立候補の熱い思いとは別に、いまの職場の大変な状況を考えると本当につらかったといいます。しかし、日が経つにつれて、「がんばって」「応 援する」と声がかかるようになりました。しかも、職場の仲間たちは、メーリングリスト「うらにわ通信」を立ち上げ、応援メッセージの投稿を始めたのです。 浦野さんも活動スケジュールや区政報告を投稿しています。職場内から、病院全体に応援の輪が広がりつつあります。
 浦野さんの上司、リハビリ室長の山田政志さんは「初めて聞いた時は驚きました。彼女とは二人三脚でやってきた。とっさには、いなくなると困ると思いまし た。でも彼女の思いは理解できるし、純粋に応援したい。これを機会に、スタッフにもっと政治に興味を持ってもらえるかな。区民に働きかけ、なんとしても当 選させて、投開票日にはみんなでいっしょにバンザイをしたい」と話しました。
 前出の小林さんは浦野さんを評して「人のために身を粉にして役に立とうとする人、またそれをいとわない人」だと言います。
 すでに本格的に候補者活動をはじめ、区民の要求をまとめ、政策づくりをしています。駅頭での早朝宣伝にも力を入れています。

(民医連新聞 第1495号 2011年3月7日)