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民医連新聞

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平和のバトンつなごう 東京9条まつりに3000人

 九条の会東京連絡会など実行委員会が主催する「東京9条まつり」が一一月一三日、東京都内で行われました。講演、映画上映、合 唱、寄席のほか、九条の会をはじめ平和、貧困、人権、教育などさまざまな課題にかかわる五八団体・個人による七八ブースの展示、模擬店があり、三〇〇〇人 を超す参加者が詰めかけて交流しました。(新井健治記者)

 九条の会東京連絡会は、都内の地域・職場・学園にある九条の会が対等の関係で情報共有・交流・協力するためのネットワークで二年前に発足、まつりは初の大規模な企画です。当日は大田区産業プラザ全館を一日借り切り、一~六階まで多彩な催しがありました。
 脚本家のジェームス三木さんと東京大学教授の小森陽一さんの対談では、正岡子規と夏目漱石の友情を、日清・日露戦争など戦時体制を着ちゃくと整備していった約一〇〇年前の日本の社会背景から読み解きました。
 ジェームス三木さんは「私たちは一〇〇年後の世界へバトンを引き継ぐランナー。子孫に喜んでもらえるバトンを渡すためにも、九条を守ろう」と話しまし た。小森教授は「平和は〝日常〟と言い換えることもできる。子規や漱石といった文化を大切にする日常と戦争はあい容れない。そこに九条の役割がある」と語 りました。
 PeaceNight9(都内の学生九条の会のネットワーク)は、作家の雨宮処凛さんを交えて討論会を開催。東洋大学の一年生は「今後の日本に必要なの は外交力。九条は大きな力を持っている」 。中央大学の三年生は「最大の人権侵害が戦争。戦争は人間が引き起こすが、同時になくすこともできる」と訴えました。
 雨宮さんは「ホームレスを〝自己責任〟と切り捨てる論理は、戦争も正当化する。戦争と貧困は親和性があり、憲法九条と二五条はリンクしている。若者こそ 戦争と貧困を自分たちの足下の問題としてとらえよう」と話しました。
 聖路加国際病院の日野原重明理事長は、「生きいき憲法」と題して特別スピーチ。医師不足にふれながら、「軍事費をなくせば、医療・福祉・教育が良くな る。自衛隊は廃止し、代わりに医療班など救助隊を災害援助に派遣しましょう」と話しました。
 日野原さんは、四年前から一〇日に一回の割合で小学校でいのちの授業を実践しています。「いのちとは個々に与えられた時間。自分の時間をいかに使うか が、生きるということです。私は一カ月前に九九歳になりました。九条を大切に、勇気ある行動をとりましょう」と参加者に呼びかけました。

「ドラマは2通りしかない。勝ち負けを決めることと、愛が実るかどうか。勝ち負けを決めたがる人が戦争をしたがるんです」
 ―ジェームス三木さん

「国権の発動たる戦争をする国になっていったのが、明治という時代です」
 ―小森陽一さん

(民医連新聞 第1489号 2010年12月6日)