質向上推進事業の研修会開く 全日本民医連
全日本民医連は来年1月から始める「医療の質の向上・公開推進事業」(質向上推進事業)の実施説明・研修会を11月12日に行い、36県連63病院から 103人が参加。推進事業の特徴は、(1)医療のプロセスとアウトカムに関わる医療指標を設定・測定し、評価・公開することで質を向上させる、(2)外部 評価委員の専門的な援助を得て4半期毎に分析・評価する、(3)正確で迅速な集約・分析・検索のためWEBシステムを導入する、の3点です。
まず、外部評価委員の猪飼宏氏(京都大学大学院医学研究科助教授)の講演「診療の質指標とは~測定の枠組みとDPCデータの活用」から、臨床指標の定義 や歴史、DPCデータを活用した指標の出し方、改善に向けたPDCAサイクルについて学びました。続いて野田邦子氏(埼玉協同病院、全日本QI委員会) が、民医連指標21項目の意義、各指標の計算式と解釈、収集期間、調整方法についてレクチャー。その後、質疑応答によって医療指標の定義と解釈を共通認識 にしました。
また、先行している4つのトライアル病院(水島協同病院、京都民医連中央病院、千鳥橋病院、耳原総合病院)から、苦労した点や工夫した点、組織のあり方 など報告があり、これからとりくむ病院にとって教訓となりました。参加者からは「患者のためにがんばっていると自負していても、“結果”が問われていると 認識した」などの感想がありました。11月末現在、事業に参加を表明しているのは47病院です。全日本民医連は「事業を成功させるカギは、多くの民医連病 院に参加していただくことです。中小病院を含めて、この事業への参加を積極的に検討してください」と呼びかけています。
(民医連新聞 第1489号 2010年12月6日)
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