2010年介護・福祉責任者会議 公的介護保障を求める運動を
一一月一〇~一一日、全日本民医連は介護・福祉責任者会議を開き、四二県連から二一四人が参加しました。
今回の会議は、民医連綱領に「介護・福祉」分野が盛り込まれてから初めての開催です。会議の目的は、(1)介護保険制度見直しの情勢認識を深め、抜本改 善を求める介護ウエーブ方針を意思統一、(2)「地域包括ケア」への民医連の考え方を確認し、事業を交流する、の二点。
記念講演は、日本共産党政策委員長の小池晃・前参議院議員。小池氏は、介護保険の一〇年は、国民が耐え忍んだ構造改革の一〇年だったと指摘。菅政権のい う「ペイ・アズ・ユー・ゴー」は「先立つものがなければ制度改善はやらない」という意味で、社会保障で取り入れてはいけない発想。来年は、介護改善をかけ た大きなたたかいの年に、と語りました。
学習講演には「地域包括ケアと運動の課題」のテーマで、大阪社保協の日下部雅喜さんを招きました。自治体職員の日下部さんは、「地域包括ケア」を理解し ている自治体職員は少なく、このまま構想が自治体に丸投げされても、結果が期待できない。「地域主権」の名で国の責任を放棄し「自助・互助」の美名で「地 域」に介護や高齢者支援を押し付ける施策には、公的介護保障を求める運動で対抗しよう、とのべました。
指定報告は六本。「介護をよくする会のとりくみ」(東京)、「民医連外の事業所を巻き込んだ運動」(沖縄)、「介護保険一〇年を県で検証」(山形)、 「夜間対応型訪問介護事業所を開設」(東京)、「地域で『マイカルテ』活用」(埼玉)、「住宅系サービスの展開」(北海道)。介護改善運動と高齢化する地 域の願いにこたえる事業展開を共有しました。
(民医連新聞 第1489号 2010年12月6日)