【沖縄発】沖縄医療生協は、一〇月一五日から無料低額診療事業を開始しました。二病院、四診療所で実施します。沖縄県内で同事業にとりくんでいる医療機関は、それまでありませんでした。
　実施に先立ち、記者会見もおこない、地元紙が大きく報じました。
　開始前から問い合わせが続き、当日はさっそく同事業を使って入院する患者も。医療費が払えないことで約二カ月治療を中断していた人でした。主治医が事情 を聞き、相談室につなげたところ、世帯収入は生活保護基準の三分の一ほどしかなく、医療費どころの状況ではないことが分かりました。事業の話を知り、本人 は「そんなことができるのですか？」と、肩の荷を下ろしたかのように、強張っていた顔を和らげました。
　今後、生活保護申請も含めた社会資源の活用を確認し、治療を再開していきます。無低診が医療の保障や生活改善のきっかけの一つになればと考えます。他医療機関ではできない、患者の視点に立った事業だと誇らしく思えます。
（「沖縄民医連　県連ニュース」より）

（民医連新聞　第1487号　2010年11月1日）