• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • 動画ロゴ
  • TikTokロゴ

民医連新聞

民医連新聞

新綱領の学習を力に秋のたたかいへ 第一回評議員会開く

 全日本民医連は八月二一~二二日、東京で第三九期第一回評議員会を開き、評議員(予備含む)八五人と、理事など約七〇人が参加し ました。総会以降半年の情勢の変化と各分野の運動の進展を踏まえ、方針と中間決算報告を全員一致で承認し、第四〇期役員選挙管理委員七人を選出しました。 また、渡辺治さん(一橋大学名誉教授)が講演しました。詳細は『民医連資料』九月号に掲載します。

 「来春は医療・介護の重大法案が出される『社会保障国会』だ。それを見通した意思統一を」との吉田万三副会長のあいさつで開会しました。議長に堀口信さん(北海道)、高津司さん(東京)、向井明彦さん(大阪)が確認されました。
 藤末衛会長は「綱領を改定して半年、職員はよく学び、働き、たたかった」とのべ、学習会に四万人が参加したこと、今期四~六月の経営が収入増で好転傾向 にあること、京都府知事選をはじめ各選挙で要求を掲げて奮闘したことを報告しました。また政府の「新成長戦略」「地域主権構想」が医療・福祉に及ぼす問題 点を指摘しました。
 長瀬文雄事務局長が議案の概要を報告。県連から三一通の討議報告書が寄せられ、「新綱領は自分たちがつくりあげた」との思いや「学習と実践を結びつける 大切さ」が表れていたとのべました。二日間で四九人が発言し、文書発言が二通出されました。

脱基地・反貧困を掲げて

 沖縄の山田義勝評議員は「脱米軍基地か、重圧の下の生活か」を問う一一月の沖縄県知事選の支援を訴えました。大阪の池田信明評議員も、支援の重要性を強調しました。鹿児島の税所(さいしょ)孝樹評議員は、徳之島への米軍基地移設反対で奮闘したと発言しました。
 京都の評議員は「府知事選を全国の支援でたたかい、同時に『安心医療署名』もすすめ、政策に影響を与え、職員は誇りをもった」と報告しました。
 無料低額診療事業を開始した高知・潮江(うしおえ)診療所と山梨勤医協、拡大した北海道勤医協と京都の報告がありました。いずれも、「おかげで命が助かった」などの声に職員・共同組織が確信を深めています。

診療所の光る活動

 ならやま診療所では、所長が門祐輔医師著『いのちのカルテ』に感動し、『ならやま版』をめざし全職員で気になる患者訪問とカンファレンスを始めています(奈良・冨山隆評議員)。
 坂本民主診療所では、所長の「子どもの貧困」の話に刺激され、共同組織の元教員が「夏休みの宿題をいっしょにやろう会」を始め、マスコミも注目しました(滋賀・東昌子評議員)。

国保・介護の改善運動

国保問題では、福岡・北九州市の「高すぎる国保料の改善を求める」直接請求署名について(三宅昌評議員)、「横浜市との交渉で『医療が必要な人には資格書 を出さない』と確認できた一方、差し押さえが強化されている」(神奈川・和田雅裕評議員)などが報告されました。相野谷安孝理事が「後期高齢者医療の悪い 面が国保に拡大される危険性」を発言しました。
介護問題では、特養待機者の会の活動(石川・山下明美評議員)、介護職員が地域訪問で問題を肌で感じたという発言が(神奈川・鈴木久美子評議員)。山田智 副会長は来年の介護保険見直しに向け、困難事例をもとに「地域包括ケア」を批判し、改善提案をしていこうと訴えました。

オール民医連の医師養成

 医学部奨学生確保の教訓が出されました。「高校生一日医師体験」を、県の行事として実施(福島)、年に一〇〇人を超す参加(山梨)など大事にしています。県が好条件の奨学金制度をつくっており、民医連の奨学金を見直すべきとの発言もありました。
 山口・上田尚評議員は「民医連の奨学生が全国の事業所で研修できる制度と、民医連ブランドを高めることを提案したい。海外交流やマスコミにも取り上げられる民医連の諸活動をきわだたせて学生を惹(ひ)きつけよう」とのべました。
 多くの発言から、職員や共同組織のつながり、新歓企画、日常の働きかけなどで迎え入れる努力、担当者の充足、全医師・全職員でとりくむ、全国連携の大切さが示されました。
 研修病院の確保と「オール民医連での医師養成」について、増田剛理事は「中小病院を研修病院から外す国の方針には断固反対する。各県の医師会や病院、行 政に働きかけよう」と呼びかけました。また、民医連の研修を守るために「地協やそれを超えた新しい枠組みを考え、日々の活動や豊かな医療実践、人材などす べてを医師研修の資源にし、全国的視野でとりくもう」と提起しました。

特定看護師について

 奈良の加賀洋子評議員は特定看護師問題について「賛否ある中、問題を正しくとらえ、看護師集団と周囲にも伝え、あらためて民医連の看護とは何かを明確にすることが大事と思う」と発言しました。
 職員育成では「平和学習の成果を青年事務職員が松本大学で発表」(長野・三村功評議員)や「院長の朝会での一〇分学習が一〇〇回目」(和歌山・藤沢衛評議員)などが出されました。

第四〇期選挙管理委員
 加藤 裕三(山形)
 梶原 祐治(山梨)
 鈴木ひとみ(千葉)
 西村 昭郎(石川)
 富山 隆 (奈良)
 吉田 泰英(徳島)
 狭間田敏治(大分)

 (民医連新聞 第1483号 2010年9月6日)