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民医連新聞

民医連新聞

診察室から あなたの専門医

私は今、家庭医療レジデンシー東海・後期研修プログラムの二年目として、一一〇床の病院で研修をしています。昨年までは三〇〇床以上の中規模病院で研修 を行い、今年から小規模病院で地域医療を行うことになりました。もともと岐阜民医連の奨学生で、初期研修を行ったこの病院に戻ってスタッフとして地域医療 に参画できることをうれしく思っています。
 毎日のduty workが過密でなかなかうまくいきませんが、家庭医療を実践するのに最適なフィールドがこの地域にはあり、家庭医療の特徴である 「ACCCC=Access to Care (近接性)、Continuity of Care (継続性)、Coordination of Care (協調性)、Comprehensive Care (包括性)、Contextual Care (文脈性)」が当てはまると感じています。
 当院では、毎日、昼に「外来カンファレンス」を開きます。医師、看護師、薬剤師、リハビリ、事務、SWなどあらゆる職種が集まり、前日から午前中までの 事例を紹介、検討する場で、「Aさんが来なくなったが最近どう?」「Bさんが支払いに困っているようだ」「Cさんの介護をしているDさんが入院した。Cさ んを何とかしなきゃ」など話題は尽きません。「地域の患者さんとともに歩む病院」「チームで患者さんのいのちと健康を守る」民医連らしさ、家庭医療らしさ 満載の三〇分です。
 家庭医になろうと思ったきっかけは、「医学生のつどい」です。実行委員・事務局員として深くかかわる中で、生活背景から患者をとらえることを学び、地 域・家庭でより良く生きるための手助けをするのが医師の使命だと感じました。そして医師として現場に出た時、それが想像以上に難しいこと、また個人の問題 だけではなく、家庭や地域、行政の問題でもあることを痛感しました。その解決の糸口の一つは家庭医療にあると考えています。そして当院はそれが実現できる 場所だと思います。
 まだまだ経験の浅い未熟者ですが、全国に散らばる「つどい」の仲間とともに地域に根を下ろし、患者さんを取り巻く、あらゆる問題に立ち向かえる「あなたの専門医」になれるよう、がんばっていこうと思います。
(岐阜・みどり病院、日比野将也)

(民医連新聞 第1480号 2010年7月19日)